ベストセラー小説を映画化!ひねくれ屋なのに愛おしい
9月22日(金)より劇場公開中のケイト・ブランシェット主演作『バーナデット ママは行方不明』は、マリア・センプルによるベストセラー小説『バーナデットをさがせ!』を、『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイター監督が映像化した作品。
主人公は、娘の子育てにすべてを捧げる元天才建築家のバーナデット。夫も娘も大好きだけれど、日々少しずつ積もり続けていたモヤモヤがある日爆発。そんなバーナデットが向かった先は...、南極だった!
夢を諦めたバーナデットが、長年の靄から抜け出す重要な本編シーン
天才建築家として活躍していたが出産を機に仕事を引退し、夢を諦めたバーナデット(ケイト・ブランシェット)。ある日、かつて建築界で時代を共にした盟友ポール(ローレンス・フィッシュバーン)と20年ぶりに会うことに。
「マッカーサー賞の天才の哀れな末路かね?」とバーナデットが、栄えある賞を最年少で受賞して以降、公から引退し鬱々とした毎日を過ごす自分のことを、自虐的に話す姿にポールは、「(言いたいことは)以上か?」と言い、「こんなバカげた話はないと思うぞ。面白くはあるが、大局が見えてない」とピシャリと言い放つ。続けて、「君のような人の本分は創造だ。そのために君は生まれた。創造しなきゃ社会の厄介者。問題の答えはただ1つだ。さっさと仕事に戻れ。創造するんだ」と、強くまっすぐに伝える。
旧知の仲ゆえに伝えられる真摯なメッセージに、バーナデットは雷に打たれ長年の靄が晴れたような表情で、目に涙を浮かべる。表情で多くを語る役者であるケイト・ブランシェットの演技が光る、観る者の心を震わせる素晴らしいシーンのひとつだ。
『バーナデット ママは行方不明』は全国公開中。