アメリカにおけるコンサートフィルムの歴代興行成績を大幅に塗り替える歴史的大ヒットを記録している、テイラー・スウィフトのコンサートフィルム『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』。日本でも全国の劇場で発声可能上映が解禁されるなど大きな話題になっている本作だが、報道によれば映画界で最も名誉あるアカデミー賞にはノミネートされないという。その理由とは?(フロントロウ編集部)

コンサートフィルムの歴代興行収入を3日で塗り替えた『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』

 10月13日に日本を含む世界中の映画館で公開されたテイラー・スウィフトのコンサートフィルム『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』。

 同作はアメリカで、公開週末の興行収入が9280万ドル(約139億円)を超える超大ヒットを記録。『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』や、これまでの歴代No.1だった『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』の2951万ドルという、コンサートフィルムとしての初週末興行成績の記録を3倍以上も上回り大幅に更新しただけでなく、両作品の最終興行収入成績を週末3日間だけで抜き去るという、歴史的な偉業を達成した。

アカデミー賞にはノミネーションされない理由

 日本でも、ファンからの熱心なリクエストを受けて、10月27日より発声可能上映が全国の劇場で行なわれることが決定するなど、大きな話題になっている同作が、一方で、グラミー賞を含む数々の賞を受賞してきたテイラーが本作で映画界のアカデミー賞の保有者になる可能性はまだ低いと、Varietyは指摘している。

画像: アカデミー賞にはノミネーションされない理由

 Varietyは、同作がアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門や技術部門にノミネートされることはないと指摘。アカデミー賞のガイドラインでは、ドキュメンタリー部門はドキュメンタリー映画を「文化的、芸術的、歴史的、社会的、科学的、経済的、またはその他の主題を創造的に扱った劇場公開のノンフィクション映画」と定義している。また、フィクションではなく事実に重点を置く場合は、実際の出来事を写真で撮影したり、部分的に再現映像やストック映像、静止画、アニメーション、ストップモーション、その他の技術を使用したりしてもよいと定めている。

 さらに、「宣伝や指導」の要素を含む作品は対象外であり、「本質的にフィルターされていない(編集されていない)パフォーマンスの記録 」も対象外であると規定してされているため、Varietyはそうした規定を理由に、『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』は基準を満たさなかったとしている。また、こうしたアカデミー賞のガイドラインを外れているかどうかという焦点の前に、そもそもアカデミー賞審査の締め切りだった米時間10月2日までに、同作は提出されなかったとも報じている。

 一方、コンサートフィルムについていえば、『テイラー・スウィフト: THE ERAS TOUR』のプレミアに駆けつけたことも話題になったビヨンセも同様に『Renaissance: A Film by Beyoncé(原題)』と題した作品の公開を米現地時間12月1日に予定している。しかしながら、こちらも今年度のアカデミー賞の候補には提出されなかったというが、一方で、こちらにはコンサートのリハーサルの様子、夫ジェイ・Zや子どもたちと過ごした時間の映像が含まれているため、こちらはアカデミー賞応募資格の「グレーゾーン」に入る可能性があるとVarietyは推測している。

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