プライム感謝祭で盛り上がっているアマゾン。アメリカでは今年、アマゾン社から横領して高級品を買いあさっていた元従業員に厳しい判決が下された。

31歳が職権利用して“商品を卸した”と架空請求

 事件の首謀者は、ジョージア州スマーナにあるアマゾンの倉庫で勤務していた31歳の女。他の従業員を監督し、新しいベンダー(※アマゾンに商品を卸して販売はアマゾンに任せる業者)やベンダーの請求書の支払いを承認する権限を持つマネージャー・クラスの従業員だった女は、アマゾンの荷物を配送するビジネスを運営していた交際相手と共謀し、アマゾンから約14億円を不正に受け取ったという。

 このマネージャーは、何も知らない部下に偽のベンダー情報を提供し、部下がその情報をアマゾンのベンダー・システムに入力した後、自身で偽のベンダーを承認。それによってそのベンダーのアカウントがアマゾンに請求書を提出できるようになったところで、交際相手と一緒に存在しないベンダーからの架空の請求書を提出。これらの請求書に対する支払いを自分で承認し、自身で管理する銀行口座に振り込ませていた。

 マネージャーは偽のベンダーを作成するために必要な名前と社会保障番号を入手するために、この不正行為にアマゾンのセキュリティリスク担当者や人事担当者も引き入れ、事件に関連して合計7名が起訴された。

 首謀者のマネージャーは不正に手にしたお金で高級車を買い漁っていたようで、逮捕後、2019年型ランボルギーニ・ウルス、2021年型ダッジ・デュランゴ、2022年型テスラ・モデルX、2018年型ポルシェ・パナメーラ、カワサキZX636オートバイが、90万ドル(約1.3億円)以上する豪邸から押収された。

 2023年7月、ライアン・K・ブキャナン連邦検事は、「被告はアマゾンの信頼された地位を悪用」したと語り、懲役16年の判決と、その後3年間の監視付き釈放、そして946万9731ドル45セント(約14億円)の賠償金の支払いを命じられたことを報告。

 ちなみにこのマネージャーは保釈中にも問題を起こしており、交際相手と新しいビジネスをオープンしようとした際にアマゾン関連の刑事告訴は棄却されたと取引相手に嘘をつき、判事の署名を偽造するなどして偽の裁判書類を作り、保釈を取り消された。

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