100周年を迎えたディズニーのこれまでを祝してこれまでを幕開ける映画『ウィッシュ』が12月15日(金)にいよいよ日本公開される。本作のテーマは願う心。監督を務めるのは、1978年にディズニーに入社して伝説のアニメーターである“ナイン・オールド・メン”のひとりの下で学び、近年は『アナと雪の女王』を大ヒットへと導いたクリス・バックと、『アナと雪の女王』や『モアナと伝説の海』でストーリーボード・アーティストを務め、本作が長編監督デビューとなる新鋭のファウン・ヴィーラスンソーン。ディズニーのこれまでとこれからを象徴する監督たちが、フロントロウ読者の中にもいる若きクリエイターたちにアドバイス!

クリス・バック監督とファウン・ヴィーラスンソーン監督が語る

画像: クリス・バック監督とファウン・ヴィーラスンソーン監督が語る

ディズニーのアニメーション作品は監督を2人起用することが多いですが、その利点はどんなところにあるのでしょう?

クリス・バック監督(以下クリス):私はつねにパートナーとやってきました。ひとりで監督する人もいますが、どうやってこなしているのか検討もつきません。最低でも4年かかる作業で、たくさんの部門があり、信じられないほどのミーティングがあり、ものすごい仕事量ですからね。『ウィッシュ』では役割分担はしませんでした。代わりに、相談相手がいるという利点にしました。監督のやり方は全体像を把握していることです。それぞれの部門がそれぞれの専門的な細かいことをやっていて、我々には、もっと全体的な視点から見ることが求められる。『自分はこう感じているんだが、合っていると思う? 方向性が間違っていないか?』と相談できる相手がいるのは非常に良いことです。

とくにファウンの場合、彼女は素晴らしいストーリーボード・アーティストのバックグラウンドを持っています。キャラクターを深掘りできる才能があるだけでなく、カメラマンがやるようにシーンを的確に描ける才能がある。そのシネマトグラフィーとストーリーのスキルはこの作品にとって重要なものでした。

ファウン・ヴィーラスンソーン(以下ファウン):クリスは経験豊かな方です。だから、どの部門がどの問題を解決する手助けができるかを熟知している。これは私にとって初の長編監督作品ですから、当初は「自分がすべての答えを見つけないと」とものすごいプレッシャーを感じていました。だってミーティングをしても、みんなが自分の方を向いて意見を求めるんですよ(笑)。そんななかクリスはどっしりと構え、「この点を解決するためにこの人たちを使おう」と提案してくれるのです。それが分かってからは、チームに「ここが上手くいかないんだけど」と相談できるようになり、そのコラボレーションのおかげでより深みに達することができた。アニメーションはどの時代もチームプレーの仕事です。私にとって、この作品はそれが最も顕著だった出来事でした。

このような作品に関わってみたいというウィッシュを持っている方々に、アドバイスをするなら何と言いますか?

クリス:私は前にカリフォルニア芸術大学で教えていたのですが、アニメーションを学ぶ生徒たちは研究のためにアニメーション作品ばかりを見ていました。そういう人たちに私はいつも言っていました。「アニメーションも実写映画も観なさい。でも、人生を見てください。世界に出て、すべてを見て、スポンジのように吸収して、自分のアートに反映させるのです」とね。

ファウン:私は、自分の直観を信じて言いたいです。私自身、ディズニーが欲しがるようなポートフォリオ製作に何年もかけました。ディズニーが求めるものを推測して、それを必死に描いていたのです。するとある日、「自分らしさを見つめ直して、自分の声を見つけてみたら他人との違いがでるんじゃないか」とアドバイスを受けたのです。それがきっかけでオリジナルのコミックスを描き始め、それをポートフォリオに入れたら、合格した。その時、「ああ、人が欲しがるものを考えることに何年も費やしたけど、自分の直観で動けばよかったんだ」と気づいたのです。

 ディズニーの100周年を祝う映画『ウィッシュ』は、ウォルト・ディズニーのレガシーを受け継ぎながらも、彼なら今の時代にきっとこうしただろうという作品だという。ディズニーが100年にわたって伝えてきた願いの力を、魅力的なキャラクターと心打つストーリー、ドラマティックな音楽で届ける『ウィッシュ』は2023年12月15日(金)公開。

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