映画としても高い評価を獲得している『Renaissance: A Film by Beyoncé』
ビヨンセが最新アルバム『ルネッサンス』を引っ下げて2023年に行なったワールドツアーの模様を追った音楽映画『Renaissance: A Film by Beyoncé』が、12月21日より全国劇場公開となる。
12月1日に先立って全米公開された同作は、映画作品として興行的にも批評的にも大きな成功を収めており、週末3日間の成績が2100万ドル(約31億円)を超えて、週末興行収入ランキングで1位を獲得する大ヒットスタート。さらには、最初の週末3日間を終えた段階で、辛口で知られる米批評サイトRotten Tomatoesで、批評家と観客の両スコアで100%獲得という、驚異の高評価を得ている。
高い評価を獲得している『Renaissance: A Film by Beyoncé』の魅力とは? ビヨンセのファンならずとも、あらゆる人にとって本作が必見と言える4つの理由と共に、映画の魅力をご紹介。
<理由①>驚異の『ルネッサンス』ツアーが“日本上陸”
2009年を最後に来日公演を行なっていないビヨンセのライブが、映画という大迫力のフォーマットで日本に上陸する。観に行くべき理由はこれに尽きると言っても過言ではない。
ビヨンセにとっても、大規模なワールドツアーとしては2016年に『フォーメーション』を引っ提げたツアーを行って以来、7年ぶりとなっており、映画のなかでもその裏側を垣間見ることができるが、準備への気合の入れようは凄まじい。1曲1曲のパフォーマンスが大迫力で、最新作『ルネッサンス』からの楽曲はもちろんのこと、「Crazy In Love」や「Drunk in Love」といった絶対に外せない代表曲たちも余すことなく披露されるので、来日公演の実現を14年間待ち続けている日本のファンも十分に満足させてくれるものになっている。
数字で見る『ルネッサンス』ツアーのすごさ
『ルネッサンス』ツアーはオーディエンスの記憶に残る壮大なものになったのはもちろんのこと、ビヨンセ史上最大のツアーとなった本ツアーは、記録にも残る歴史的なものとなった。
○全世界39都市で合計56公演を開催。
○全世界で観客約270万人以上を動員。
○5億7,900万ドル(約882億円)の興行収入をあげて、黒人アーティストが行なったツアーとしては歴史上最大の興行収入に。
○2023年7月にはひと月で1億2,760万ドル(約181億円)の興行収入をあげて、単独の月で史上最大の興行収入をあげたツアーに。
<理由②>ハイブランドの衣装が次々と!ファッションショーとしても超SS級
ツアーの複数の公演を追った本作では、1つの楽曲のパフォーマンスの中でいくつもの公演の映像に切り替わるなど、世界各都市のステージが一挙に観られるのも大きな魅力の1つ。
安定して超ハイレベルな圧巻の歌唱とダンスを披露してくれるビヨンセのパフォーマンスはもちろんだが、彼女のパフォーマンスと同じくらいの煌びやかさを持ってこちらの目に飛び込んでくるのが、ステージ衣装たち。
「ヴェルサーチェ、ボッテガ、プラダ、バレンシアガ/ヴィトン、ディオール、ジバンシィ/硬貨を集めて、ビヨンセ」。これはアルバム『ルネッサンス』に収録された楽曲「SUMMER RENAISSANCE」の歌詞の一節だが、映画では数々のハイブランドがこぞってビヨンセのために提供したものから、深いメッセージが込められたもの、そしてビヨンセ自らが手がけたものまで、数多くの煌びやかなルックを見ることができる。
衣装:アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)
ジュエリー:ティファニー(Tiffany & Co.)
ビヨンセがツアーを通じて着用することが多かったブランドの一つがアレキサンダー・マックイーン。こちらはツアー初日のストックホルム公演で着用した特注衣装。
衣装:ドルチェ&ガッバーナ(Dolce&Gabbana)
ジュエリー:ティファニー(Tiffany & Co.)
クイーンビー(女王蜂)の異名を持つビヨンセらしい黄色と黒の衣装はドルチェ&ガッバーナによるもの。
衣装:グッチ(Gucci)
ジュエリー:ティファニー(Tiffany & Co.)
真珠やクリスタルがあしらわれたグッチのピンクのルックには、同じくらい輝いているピンクの双眼鏡を合わせて。
衣装:シチュエーショニスト(Situationist)
ジュエリー:ティファニー(Tiffany & Co.)
ビヨンセはいつだって連帯のメッセージを忘れない。フェニックス公演では、ジョージア発のブランドであるシチュエーショニストとウクライナ発のヤスピス(Yaspis)のコラボレーションによる特注の衣装を着用。
衣装:アイヴィー・パーク(Ivy Park)
もちろん、ステージでは自身のブランドであるアイヴィー・パークの衣装も着用する。バンクーバー公演で着用されたこちらの衣装は、同ブランドのアーカイブにオマージュを捧げて作られたもので、ビヨンセ自身がクリエイティブディレクターとして自ら考案したもの。
ここで紹介した以外にも、ロエベ(Loewe)、ミュグレー(Mugler)、フェラガモ(Ferragamo)、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ミュウミュウ(MIU MIU)、ランバン(LANVIN)、マーク・ジェイコブス(MARC JACOBS)、デヴィッド・コーマ(David Koma)など、数々のブランドがビヨンセに提供した衣装が登場。そうした一級品たちを大画面でディテールまで見られることも必見ポイント。
<理由③>ブルー・アイヴィー&ジェイ・Zとの絆から“弱気”な姿まで、レアな“素のビヨンセ”が観られる
『Renaissance: A Film by Beyoncé』は、“ツアーの模様を追った音楽映画”と聞いて真っ先に思い浮かべるような、ライブの全編をそのまま収めたような映画ではない。前述したように、パフォーマンス映像はツアー全体を通したハイライトをシームレスに繋げた“ベスト盤”のようになっているし、それだけでなく、レアな舞台裏の模様も所々に挟み込まれている。
舞台裏を追った映像として収められているのは、ここ日本に暮らしていると特になかなか垣間見ることができない、ビヨンセの“素の姿”。ビヨンセが多大なインスピレーションを受けた彼女の両親はもちろん、ツアー中にダンサーとしてステージデビューを果たした第1子ブルー・アイヴィーのとの対話など、家族との貴重なシーンもたっぷり収められている。
とりわけ、ブルー・アイヴィーとの対話シーンは映画における最大のハイライトの1つと言ってもいい。そこで見られるのは親子の“心温まるシーン”以上のもので、ビヨンセがブルー・アイヴィーを最大限にリスペクトしようとする姿勢からは、世界で最もパワフルな母親の1人による子育ての秘訣を伺い知ることができる。
そして、映画の冒頭では、ツアーを始めるにあたって「ネガティブな思考や不安」を抱えていることを打ち明ける場面も。そう、この映画に収められているのは360度から見たビヨンセの姿で、そこには、普段は見せないような“弱気”な姿ももちろん収められている。1人の人間としてのビヨンセに触れることで、改めてビヨンセの魅力に惹きつけられるはず。
それから、ビヨンセの夫で、ブルー・アイヴィーの父親であるジェイ・Zの登場に期待しているファンも多いだろうが、ご心配なく。多くの時間ではないが、映画の所々でジェイ・Zも登場する。けれど、ジェイ・Zが見せるのはヒップホップ界の大ボスとしての顔ではなく、“夫”&“パパ”としての顔のみ。あくまでビヨンセのサポートに徹している姿勢も素晴らしいが、ジェイ・Zをこのような激レアすぎる形で登場させられるのも、世界でビヨンセただ1人だけ。そして、ビヨンセがありのままの姿を見せられるのもジェイ・Zたち家族だけなのだ。
<理由④>映画館がセーフスペースに!インクルーシブな究極の“ビヨンセ映画”
映画の中で、ビヨンセが繰り返し語っているメッセージがある。それは、自身が持つ巨大なプラットフォームやステージを通してインクルーシブなメッセージを表現していくことで、誰もが安全で、自分の居場所があると感じられるような「セーフスペース」を作りたいという思い。
アルバム『ルネッサンス』は70年代のクィア・コミュニティにトリビュートを捧げた作品だが、レインボーフラッグも当たり前のように映し出されるツアーの舞台裏に迫った本作には、ビヨンセがアルバムに込めたようなメッセージをどのようにステージで表現し、言葉として発信していくかを組み立てていく様子も収められている。
女性として、母親として、LGBTQ+コミュニティのアライ(※支援者)として、自分に何ができるか。徹底的に考え抜かれた末に完成した『ルネッサンス』ツアーのステージは、温かみに満ちたものになっているし、それを大画面のスクリーン越しで観られることで、『Renaissance: A Film by Beyoncé』を上映している間、映画館はあらゆる人たちを受け入れてくれるビヨンセが創り出したセーフスペースに変貌を遂げる。
それはビヨンセだからこそ創り出せる、他の雑音を寄せ付けないようなパワフルな空間で、どんな観客もそこで、自分の居場所を見つけることができる。映画を通して伝わってきたのは、それこそがビヨンセが本作を製作した理由なのではないかということ。そう、この映画は単に音楽がプレゼンテーションされるだけの映画ではない。
「マザーの頭の中へようこそ」。ステージの演出の一つとして、この言葉が投げかけられるシーンがあるのだが、本作はまさにそんな映画だ。あらゆる人たちを受け入れる“マザー”、ビヨンセとはどんな人か? なぜこんなにも温かくて、パワフルなのか? そのすべてを堪能できるのが、『Renaissance: A Film by Beyoncé』なのだ。
<公開情報>
『Renaissance: A Film by Beyoncé』
12月21日(木)より全国ロードショー
©2023 PARKWOOD ENTERTAINMENT ©RENAISSANCE WORLD TOUR
配給元:東和ピクチャーズ
映画公式サイトはコチラ
<リリース情報>
Beyoncé |ビヨンセ
最新アルバム 『RENAISSANCE|ルネッサンス』
■国内盤
発売中
全16曲収録、紙ジャケット仕様、28Pブックレット、両面ポスター
【日本限定】作品解説、楽曲解説、ビヨンセのメッセージ訳、歌詞・対訳
【初回仕様限定特典】アルバム・ジャケット写真絵柄<マウスパッド・ステッカー>封入
■配信アルバム
配信中
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<『Renaissance: A Film by Beyoncé』セットリストをプレイリストで!>
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