エミネムのニューアルバムについて子どものヘイリーが語る
7月に4年半ぶりとなる自身12枚目のアルバム『The Death of Slim Shady (Coup De Grâce)』をリリースしたエミネム。このアルバムは、エミネムのキャリア初期に登場し、若く擦れた分身として活躍したスリム・シェイディというキャラクターに別れを告げることをテーマに、エミネムとスリム・シェイディの両方の長所を融合させ、自身の悪評やふざけた行為を取り上げている。長年、その辛辣な歌詞や態度でポップ・カルチャーを悩ませてきた悪名高きキャラクターへのオマージュに近い作品。
『The Death of Slim Shady (Coup De Grâce)』はエミネムの子供であるヘイリー・ジェイドも聞いており、今回ヘイリーが自身のポッドキャスト番組『Just a Little Shady』でアルバムについて話した。
ヘイリーはこのアルバムの中で2曲、聞くと絶対に泣いてしまう楽曲があるという。1曲目は「Somebody Save Me」で、2曲目は「Temporary」。
ジェリー・ロールをフィーチャリングした「Somebody Save Me」は、幼少時代の子どもとエミネム自身が会話する音声から始まり、父親として至らなかった若き自分に対する後悔の念や、3人子どもヘイリー、アレイナ、スティーヴィーへ詫びるメッセージを歌い、MVにも過去の映像が使われている。
そしてスカイラー・グレイをフィーチャリングした「Temporary」は、「多くの人に、死を恐れているのかと聞かれる/本当は、一番怖いのは俺がもうここにいないとき君に言いたいことが言えなくなることなんだ/だからこの歌はその日が来たときのために、ヘイリーに贈るんだ」というエミネムの語りから入り、自分が死んだ後にヘイリーへ贈る言葉が歌詞として綴られている。
ヘイリーは「聞く度に泣いてしまいます」と話し、「2曲とも周囲に聞こえるほど号泣してしまいましたが、『Temporary』はとくに泣いてしまいました」と、父から自分に宛てられた楽曲はとくに泣いてしまったと明かした。
また、ヘイリーは自身の子どもの頃の映像が使われている「Somebody Save Me」のMVも観たようだが、もう1度観られるかわらからないということも告白。「Somebody Save Me」ではヘイリーたちが幼少期の頃、エミネムは薬物中毒だったこともあり父親として何もしてあげることが出来なかったことを謝罪しており、歌詞の中にはエミネムが実際にはヘイリーとバージンロードを歩けたものの、薬物中毒で歩けなかった世界線の話が書かれている。そのためヘイリーは「両親は私が成長する際に、物事がどれだけひどいことだったか気づかないように、本当によくしてくれたと思います。でも、大人になった今、振り返ってみると、とても怖いです。だから、そんなことが起こり得たかもしれないと考えるだけで、こんなにも感情的になってしまうのだと思います」と語った。