命令に従わなければ“命を失う”——そんなルールの遊びが、無垢な姉妹の間で繰り広げられていたとしたら? アリアン・ラベド初監督作『九月と七月の姉妹』が、2025年9月、日本公開を迎える。

ヨルゴス・ランティモス監督のパートナーであり、『ロブスター』『哀れなるものたち』などに出演する女優としても名高いアリアン・ラベド。彼女が初の長編映画に選んだのは、イギリス文学界の新星デイジー・ジョンソンの原作。セプテンバーとジュライ、たった10か月違いの姉妹が紡ぐ、支配と服従の関係が冷ややかに描かれる。

物語は、ある“事件”をきっかけに、母と共に亡き父の家へと引っ越した姉妹の生活から始まる。舞台はアイルランドの海辺、閉ざされた古びた家。次第に、セプテンバーが仕掛ける命令ゲームが、無邪気な遊びではなく、妹を精神的に追い詰める歪な儀式へと変わっていく。

映像美と心理描写を融合させた演出は、“ギリシャの奇妙な波”と称されたムーブメントの系譜を感じさせ、カンヌ国際映画祭でも高く評価された。

そして公開と同時に解禁されたのが、画家・榎本マリコによるティザーポスター。お揃いの服を着た“顔のない姉妹”のイメージは、どこか童話的でありながら、見る者に不安を植え付ける。榎本は「姉妹の命の光は、希望ではなく支配と服従に満ちていた」とコメント。不穏で美しい世界観を完璧に視覚化した。

この秋、感情の暗がりに光をあてた、もうひとつの“フェアリーテイル”が静かに幕を開ける。

画像: “命をかけたままごと”が現実になる──ギリシャ発、異才ラベドが描く姉妹の支配と服従『九月と七月の姉妹』日本公開へ

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