この夏、スクリーンに蘇るのは「あのころのお祭り」──それは、まだ自分が誰なのかもわからないままに、誰かに惹かれてしまったあの瞬間の記憶だ。チェーザレ・パヴェーゼのストレーガ賞受賞作『美しい夏』がついに映画化され、8月1日から全国で順次公開される。

舞台は1938年のトリノ。お針子として働く16歳のジーニアは、画家のモデルとして生きる年上の女性アメーリアと出会う。2人の関係は、友情とも恋ともつかない微妙なラインを漂いながら進展し、やがてジーニアはアーティストたちの自由奔放な世界へと足を踏み入れていく。「軽薄な男たちといるより 女同士の方がいい」というアメーリアの言葉が刺さるのは、単に時代背景のせいではない。大人への憧れと、そこに潜む危うさが、スクリーンから滲み出す。

監督を務めたのはラウラ・ルケッティ。原作の時代性を守りつつ、現代の視点からキャラクターたちに命を吹き込んだ。ジーニア役はイーレ・ヴィアネッロ、アメーリアにはディーヴァ・カッセル。若き才能同士がぶつかり合い、スクリーンを鮮やかに染め上げる。

ポスターに描かれた2人の視線が交わる一瞬。そして、「あなたといる、私が好き」というコピー。言葉にならない感情が、画面のすみずみまで広がっていく。アート、ファッション、文学の要素が融合したこの作品は、ただの青春映画ではない。“自分とは何か”を問う、静かで熱い旅でもある。

画像: 8月1日(金)公開『美しい夏』本予告編 www.youtube.com

8月1日(金)公開『美しい夏』本予告編

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