チャーリーXCXが音楽フェスでのオートチューン使用批判に反論し、「最高のアートは分裂的」と持論を展開。(フロントロウ編集部)

フェスで6万人以上の観客を前にパフォーマンスしたチャーリーXCX

 2014年に「Boom Clap」で世界的ブレイクを果たし、2018年にはテイラー・スウィフトのツアーでオープニングアクトを務め、さらに2024年には最新アルバム『Brat』が大ヒットするなど、ポップシーンの最前線を走り続けてきたイギリス出身のアーティスト、チャーリーXCX(Charli XCX)。そんな彼女が2025年6月、イギリス最大級の音楽フェス「グラストンベリー・フェスティバル」に出演し、そのパフォーマンスと発言が音楽界に新たな論争を巻き起こしている。

 ヘッドライナーの1人として参加した今回のフェスでは、6万人以上のファンが集まったことを米Billboardが伝えている。そして、観客に「あなたたち最高!でも私のほうがもっと最高だけどね!」と語る彼女の姿は、挑発的でありながらもどこかユーモラスだったとも。

批判されても、「議論はいいこと」

 圧巻のライブで観客を魅了したチャーリーだが、一部からは「オートチューンを使った歌唱」や「バンドを伴わない構成」に対する批判の声が上がったことを米enewsなどが伝えている。

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 オートチューンとは、歌声の音程を自動的に修正する技術で、当初は録音時の補正目的で使われていたが、現在ではあえて機械的な声を演出するための効果として、ポップやエレクトロニック音楽で広く使用されている。チャーリーはこれを意図的に使用し、「表現の一部」であると明言している。

 そんな彼女はXでこのように反論した。

 「私のグラストンベリーフェスでのパフォーマンスに対する、古い価値観をもとにする批判のことを、とても興味深く感じるわ。あえてオートチューンを使うことを“偽物”であるとか、生演奏バンドがいなければ本物のアーティストではないとか。そういう意見はつまらない」

 SNS上では、「彼女のスタンスに共感する」「これが新しいライブの形」と称賛の声が上がる一方、「やはり生演奏があってこそライブだ」とする反論も根強い。

 だがチャーリーは、そうした意見も含めて「文化の進化」と捉えている。「こういう議論はいいことだと思う。最高のアートは分裂的で対立的であり、文化を進化させる。そして簡単に忘れられないアートになる」と締めくくった。

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