「もし、あの時、違う言葉を選んでいたら、人生は変わっていたのだろうか」
その問いを真正面から描いた韓国映画『あの時、愛を伝えられなかった僕の、３つの“もしも”の世界。』が、10月31日に日本公開される。パラレルワールドをテーマにしながら、物語の中心にあるのは誰もが持つ“後悔”と“未練”、そして“希望”だ。

主人公のドンジュンは、かつて思いを寄せた同級生に言葉を届けられないまま別れた。それから25年、彼は3つの「もしも」の人生を歩む。ある時は教師として、ある時は教授として、ある時は父として。けれどどの人生にも共通して漂うのは、あの日、伝えられなかった愛の影だ。

第11回ソウル国際プライド映画祭のオープニング作品として話題をさらい、監督のペク・スンビンは、過去作に続きインディペンデントシーンでの確固たる地位を確立。本作でも、繊細な感情と時空を超えた構成を融合させ、観る者の内面に鋭く切り込んでくる。

誰しもが一度は立ち止まる「もしも」という思考の迷宮。その中で見つける“本当の自分”とは何か。答えはスクリーンの中ではなく、観た人それぞれの心の中にある。