ボディ・ニュートラルを掲げる歌手ネリー・ファータドが、体型批判にユーモアで応戦。
“Better than ever”の言葉とともに、今の自分を堂々と肯定するメッセージを発信した。(フロントロウ編集部)

体型批判に風刺で応えたネリー・ファータド

 2000年の大ヒット曲『I'm Like a Bird』などで知られるカナダ出身のシンガー、ネリー・ファータド。現在ツアーの真っ最中で、ステージでの存在感も健在だが、その注目度ゆえにSNS上ではたびたび体型に関する批判の的になっている。そんな声に対してネリーが選んだのは、まっすぐ怒るのではなく、ユーモアを効かせたファッションでの応戦だった。

画像: 体型批判に風刺で応えたネリー・ファータド

 イギリスで開催されたLGBTQ+の祭典「マンチェスター・プライド」でヘッドライナーを務めた彼女が着用していたのは、オーバーサイズのTシャツ姿。そのTシャツには、極端にくびれたカートゥーン風の細身女性が描かれており、美の基準に対する風刺が込められていた。そしてベルト部分には、2000年のデビューアルバム『Whoa Nelly』のタイトルがデザインされている。「Whoa Nelly」のロゴが描かれたこのベルトは、今回のツアーでも何度か登場している“おなじみのアイテム”。自身のキャリアの原点を、あえてユーモラスに引用した演出が光る。

 さらに目を引いたのは、背中やタイツ、ブーツにあしらわれた「Better Than Ever」の文字。これは単なるメッセージではなく、2024年のアルバムに収録された同名曲のタイトルでもあり、「今の私がいちばん素晴らしい」という強い自己肯定の思いが込められていた。

 この衣装全体が、SNS上でたびたび投げかけられる体型批判への、“言葉を使わない返答”になっていたのだ。

「ボディ・ニュートラル」に関するメッセージを綴っていたネリー

 実際、ネリーは今年1月、自身のInstagramでセルフラブについてこう綴っていた。

「今年、私は仕事を通して美的プレッシャーを改めて実感しました。でも同時に、内面からくる本物の自信とセルフラブも新しい形で感じるようになりました」

 その投稿では、ノーメイク&ノーフィルターの写真もシェア。スプレータンはしていると笑いながらも、「スパイダーベインがあるけど、それは母や叔母を思い出させてくれるから大切にしてる」という、飾らない本音も添えられていた。

 さらに、彼女は2025年に向けた印象的なスローガンも掲げている。

「2025年はボディ・ニュートラルに。でも何よりも大切なのは、心のすべてで愛すること」、「自由に自分を表現して、自分らしさを祝おう。鏡に映る自分にOKを出すのも、何かを変えたいと願うのも、どちらも正解」と呼びかけ、多くのファンの共感を呼んでいる。

 ネリー・ファータドのステージ衣装は、ユーモアとアイロニー、そして深い自己愛をまとうメッセージそのもの。“今の私がいちばんいい”という姿勢が、多くのファンの共感と応援を集めている理由だ。

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