「これはただの再録じゃない」──レイチェル・プラッテンが、“今の声”で名曲を再び歌う理由。(フロントロウ編集部)

マスターを所有するためにヒットアルバムを再びレコーディング

 レイチェル・プラッテンが、自身の代表曲「ファイト・ソング」や「スタンド・バイ・ユー」などを再録したアルバム『Fight Song(Rachel’s Version)』を、米時間9月26日にリリースすると発表した。

 このプロジェクトは、「ファイト・ソング」のリリースから10年という節目に合わせたもの。だが、単なるセルフカバーではない。レイチェルはSNSで、「曲を変えるためじゃない、取り戻すために再録した」と語っている。

 レイチェルは投稿の中で、次のように心情を明かしている。

 「自分が脆さの中にいたときに書いたこれらの曲が、私の人生を変えるような存在になるなんて、当時の私は思ってもいませんでした。この10年間、曲たちは私の元を離れ、それぞれの重みを持って世界の中で生き続けてきました。そしてきっと、あなたの“強さ”や“不安”、“つながり”の瞬間の一部であり続けてきたのだと思います」

 そう振り返ったレイチェルは、いま改めて自らの楽曲と向き合い、「現在の自分の声、経験、そして“自分のマスターを所有する”という誇りを込めて再録した」と明かしている。

 こうした動きには、テイラー・スウィフトの影響もある。テイラーは自身のマスター権問題をきっかけに「Taylor’s Version」シリーズを展開し、アーティストが作品の所有権を取り戻す流れを牽引した存在だ。レイチェルも「テイラー・スウィフトがこの会話を広めてくれたおかげで、私たちアーティストは自分の物語と未来を取り戻すことができるようになった」と感謝の気持ちを述べている。

 『Fight Song(Rachel’s Version)』には、「ファイト・ソング」「スタンド・バイ・ユー」に加え、2016年のアルバム『ワイルドファイア』収録曲や、ライブ音源、それに未公開音源も収録予定。プロデューサーには、当時と同じくジョン・レヴィーンが再び参加しており、あの頃の情熱と今の成熟が融合した仕上がりが期待されている。

 レイチェルは最後に、「何よりも、ずっとそばにいてくれたあなたに感謝したい」とファンに向けてメッセージを送った。

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