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8万人への敬意の直後、彼は傲慢になった。トム・クルーズ『DIGGER/ディガー』W杯コラボ映像

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BY FRONTROW Editorial Dept.
8万人への敬意の直後、彼は傲慢になった。トム・クルーズ『DIGGER/ディガー』W杯コラボ映像
画像提供:東和ピクチャーズ・東宝

FIFAワールドカップのクロージング・セレモニーに登場したトム・クルーズが、サッカーへの敬意を静かに語った。ところがその直前に公開されていた主演最新作とのコラボ映像で、彼が演じる男はまるで正反対の態度を取っている。(フロントロウ編集部)

レジェンドの名前を並べたあと、ボールが地球に変わる

石油会社のCEO役で別人級に変貌したトム・クルーズの姿とともに、『DIGGER/ディガー』の予告編が解禁され10月9日の日本公開が発表されたのは、今月20日のことだった。あれから数日、今度はサッカーの世界最大の舞台と組んだ特別映像3本が届いている。

60秒の「レジェンド編」で、トムが演じるディガー・ロックウェルは熟練の選手さながらにボールを扱いながら、「レジェンドには何が必要か知りたいか?」と問いかける。ペレ、ディエゴ・マラドーナ、クリスティアーノ・ロナウド、リオネル・メッシ。並べられていく名前を聞いているうちに、この男は自分もその列にいると思っている、と気づかされる。そして足元のボールが、ふいに地球へと姿を変える。「俺が操るのは、もっとデカいボールだ」。

ほかにも、「Ole ole ole ole〜♪」とおなじみの歌を口ずさみながらリフティングを披露する短尺版や、ディガーからパスを受け取ったトム・クルーズ本人が、大会に参加した全選手へ敬意を示しながらスタジアムへ歩いていく映像も解禁された。役と本人が同じ画面を行き来する構成になっているのが、今回のコラボの面白いところだ。

現実のトムは、真逆のことを言っていた

メッシが赤ん坊だったラミン・ヤマルを風呂に入れている写真が世界中で話題になり、そのふたりが同じピッチで戦うという筋書きで注目を集めた決勝戦。その前に行なわれたクロージング・セレモニーに、トムは黒のポロシャツにパンツというごくシンプルな装いで姿を見せた。

そこで彼が語ったのは、傲慢とはほど遠い言葉だった。「サッカーは、言葉のいらない言語です。人々をひとつにし、見知らぬ者同士を友人に変え、私たち全員に共通するものが何かを思い出させてくれる力があります」。そしてスピーチを「これがサッカーです。これが団結です。そして、これこそが偉大さなのです」と締めくくった。トムがセレモニーの壇上で語ったこの言葉に、スタジアムを埋めた8万人が大歓声で応えた。

同じ日に、同じ顔で、正反対の態度が並んだことになる。ディガー・ロックウェルという男がどれだけ厄介な人物なのか、本編を見る前から輪郭が見えてくる仕掛けだ。

「この役を演じられるようになるまで40年かかった」

監督は、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『レヴェナント: 蘇えりし者』でアカデミー賞監督賞を2年連続受賞したアレハンドロ・G・イニャリトゥ。レオナルド・ディカプリオにオスカーをもたらした人物でもある。トムとイニャリトゥ監督は共同で製作も務める。

物語の中心にいるディガーは、自分の利益しか見ていない。その欲深い行動が引き金となって地球は滅亡の危機に陥り、彼は大統領から尻ぬぐいを命じられて世界を救う側に回る——という、これまでのトム・クルーズ像からは想像しにくい役どころだ。本人も「この役を演じられるようになるまで40年かかった」と語っており、完璧なヒーローという看板を自分から下ろしにいったことがうかがえる。

『DIGGER/ディガー』は全米で10月2日に公開、日本では10月9日(金)より全国ロードショー。配給は東和ピクチャーズ・東宝。

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