トム・クルーズが別人級の変貌、イニャリトゥ監督最新作『DIGGER/ディガー』10月日本公開


『ミッション:インポッシブル』完結後、トム・クルーズが最初に世に送り出す新作は、巨匠アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督と組んだ風刺ブラックコメディ『DIGGER/ディガー』。アクションスターとして知られるトムが、これまでのイメージを大きく覆す役柄に挑む。(フロントロウ編集部)
一見してトムと気づかない大胆な変貌
米Varietyによると、トム・クルーズの次回作は、アカデミー賞監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥがメガホンをとる風刺色の強いブラックコメディ『DIGGER/ディガー』。全米では2026年10月2日、日本では10月9日に公開される予定で、公開時期から秋の映画祭でのお披露目も期待されている。
トムが演じるのは、石油会社を率いる「世界で最も権力を持つ男」ディガー・ロックウェル。白髪や口ひげ、特殊メイクによって印象が大きく変わっており、予告編では一見しただけではトムだと気づかないほどの変貌ぶりも話題になっている。自らの会社が世界を破滅寸前まで追い込んだ末に、「人類の救世主」であることを証明しようと奔走する物語だ。
巨大な氷山がもたらす終末的な危機が描かれるなか、これまで演じてきた正義のヒーロー像とは真逆ともいえる、身勝手で滑稽な権力者を演じる。生身のアクションでスクリーンを支配してきたトムが、皮肉と笑いを交えながら人間の欲望や権力を描く作品に挑むことになる。予告編も公開され、自ら引き起こした環境災害に向き合う風変わりな大富豪という、本作の不条理な世界観の一端が明らかになった。
米The Hollywood Reporterによると、トムは2000年にイニャリトゥ監督の長編デビュー作『アモーレス・ペロス』を早い段階で鑑賞して以来、いつか一緒に作品を作りたいと願い続けてきたという。実現までにおよそ26年。イニャリトゥ監督は本作を「破滅的なスケールのコメディ」と表現しており、企画は10年前に着想し、約7年前にトムへ構想を持ちかけたと明かしている。監督は完成した脚本を送るのではなく、トムと数日間をともに過ごしながら、自ら台本を読み聞かせたという。
イニャリトゥ監督は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』と『レヴェナント:蘇えりし者』で2年連続アカデミー監督賞を受賞した名匠。本作は監督にとって『レヴェナント:蘇えりし者』以来となる英語作品で、共演にはリズ・アーメッド、ジョン・グッドマン、サンドラ・ヒュラー、ジェシー・プレモンスら実力派が名を連ねる。撮影は英国で約半年をかけて行なわれたと報じられており、『マグノリア』の頃を思わせる“演技派トム”の姿にも期待が高まっている。
12年越しの夢、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』続編も
トムの“ポスト・ミッション”は、この1作だけにとどまらない。以前フロントロウでもお伝えしたとおり、トムはダグ・リマン監督と再タッグを組み、SFアクション『オール・ユー・ニード・イズ・キル』の続編を今秋に撮影するとみられている。日本の桜坂洋によるライトノベル『All You Need Is Kill』を原作とする同シリーズは待望論が根強く、実現すれば約12年越しでファンの願いがかなうことになる。
“宇宙で撮影する映画”の行方は不透明
一方で、長らく語られてきた壮大な企画については、現時点で具体的な進展は伝えられていない。トムはダグ・リマン監督とともに、国際宇宙ステーション(ISS)で実際に撮影を行なう映画を構想していると報じられてきた。当時は、実現すればトムが民間人として初めて船外活動を行なう可能性もあると報じられ、ユニバーサルが製作を手がける計画だと伝えられていた。しかし、その後の具体的なスケジュールなどは明らかになっておらず、今後の動向が注目されている。
スタント俳優として限界に挑み続けてきたトムが、次はイニャリトゥ流の人間ドラマへ。トムが見せる新たな一面に、映画ファンの注目が集まっている。














