日本盤の帯に「数十年目の再会地点」と刷られると伝えたのは今月20日のことだった。その日本盤には、もうひとつ日本にしかない中身が入る。ベックが9月18日に発売するニュー・アルバム『ライド・ロンサム』の日本盤CDに、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文によるライナーノーツが封入されることが決まった。(フロントロウ編集部)
日本盤だけの特典として
ユニバーサル ミュージックによると、『ライド・ロンサム』の日本盤CDは、デジタル配信および各種輸入盤と同じ2026年9月18日(金)に発売される。日本独自の紙ジャケット仕様で、後藤正文が執筆したライナーノーツは、この日本盤CDだけの限定特典として封入される。
後藤正文は、自身が大きな影響を受けたアーティストの一人として、かねてからベックの名を挙げてきた人物だ。憧れの人を自分のフェスに呼んだ翌年に、その人の新作の解説を書く側に回ったことになる。そして昨年には、自身がボーカル&ギターを務めるASIAN KUNG-FU GENERATION主催のロックフェスティバル『NANO-MUGEN FES.2025』に、ベックを招聘している。
日本盤CDには歌詞と対訳も付く。品番はUICC-10062、価格は3,000円+税。あわせて、日本語帯付き仕様のアナログ盤(品番611-1769、オープンプライス)も同日に出る。

10年ぶりに、同じ部屋に同じ顔ぶれが集まった
『ライド・ロンサム』は、ベックにとってグラミー賞を受賞した『ハイパースペース』以来となる全曲新録のアルバムだ。集められたのは、『シー・チェンジ』『ミューテイションズ』、そしてベックに初のグラミー賞年間最優秀アルバムをもたらした『モーニング・フェイズ』を共にしたバンドメンバーだった。
スモーキー・ホーメル、ジョーイ・ワロンカー、ジャスティン・メルダル=ジョンセン、ロジャー・ジョセフ・マニング・ジュニア、ジェイソン・フォークナー。録音場所はハリウッドのユナイテッド・スタジオ、ルームB。ミックスは全曲、『シー・チェンジ』『ミューテイションズ』でも組んだナイジェル・ゴッドリッチが手がけた。
ベックは本作について、「スタジオに入って『モーニング・フェイズ』をレコーディングしてから、10年が経ちました。今回は、演奏そのものも、バンドのケミストリーも、この年月のなかでさらに進化し、深みを増しているのを感じました」とコメント。「何十年にもわたって共に音楽を作ってきた時間が、ひとつのサウンドとして自然に結実したような感覚でした」と振り返っている。
そして制作をこう言い表した。「音楽的にも、物理的にも、かつての場所を再訪しながら、その道のりのなかで新しい音や感情の質感にも出会うことができたように感じています」。
書き手としての後藤正文
後藤正文は1976年静岡県生まれ。ASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターとして、ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がけてきた。2010年には自身主宰のレーベル「only in dreams」を発足させている。
文筆の実績も長い。エッセイや小説を書き、私たちの未来を考える新聞『THE FUTURE TIMES』の編集長を務め、2018年には新進気鋭のミュージシャンのアルバムに贈られる作品賞『APPLE VINEGAR -Music Award-』を立ち上げた。2024年5月には静岡県藤枝市に『NPO法人 アップルビネガー音楽支援機構』を設立し、滞在型音楽制作スタジオ「MUSIC inn Fujieda」も建てている。今回のライナーノーツは、その書き手としての蓄積の上にある。

なおベックは2024年にアコースティック・セットで来日し、2025年には「NANO-MUGEN FES. 2025」への出演と、東京・大阪2都市での単独公演「BECK Live in Japan 2025」をおこなっている。

















