泣かずに、床の血を舐めはじめた。『ナイトボーン -夜哭-』本編映像


我が子の世話をしていた母親が、割れた哺乳瓶で手を切る。床に落ちた血に、赤ん坊は泣くこともなく吸い寄せられていく——8月28日から公開中の北欧ホラー『ナイトボーン -夜哭-』から、母性がそのまま恐怖に裏返る本編映像が解禁された。(フロントロウ編集部)
離乳食を食べさせていた手が、切れた
解禁されたのは、母親サーガが我が子クーラの「異常」を初めて正面から目撃してしまう場面だ。
映像の前半で映し出されるのは、ごく普通の育児の風景である。離乳食を食べさせ、搾乳したミルクを飲ませる。そこには何の不穏さもない。空気が変わるのは、サーガが哺乳瓶を落としてしまった拍子に、ガラス片で手を切ってしまってからだ。血が床へ滴り落ちた瞬間、クーラは泣くどころか、その血を夢中で舐め始める。
言葉を失うサーガの表情と、無心に床を舐め続ける赤ん坊。無垢さと得体の知れなさが同じ身体に同居していることが、この短い時間で見る側にも伝わってくる。積み重ねられてきた違和感が、どこへ向かっていくのか——不安をさらに掻き立てる映像になっている。
「正真正銘の育児論映画」というSNSの反応
本作は、理想の子育てを夢見た新婚夫婦サーガとジョンが、サーガの故郷であるフィンランドの森深い田舎町に移り住むところから始まる。北欧神話の気配が今なお息づく森に抱かれ、二人はやがて待望の子どもを授かる。だが、その産声を聞いた瞬間からサーガの中に生まれた「この子は、何かがおかしい」という感覚は、不安から恐怖へ、そして狂気へと姿を変えていく。
8月28日の公開直後から、SNSでは映画ファンやホラーファンを中心に反応が広がっている。「久しぶりにどタイプの映画!北欧らしさ満載のホラー」という声のほか、「全編に怪異が這う、正真正銘の育児論映画!」という評も上がった。単なる怪異譚ではなく、子育てそのものの不安を掘り下げた作品として受け取られているのがわかる。

監督は『ハッチング』のハンナ・ベルイホルム
メガホンを取ったのは、フィンランド出身のハンナ・ベルイホルム監督。少女が拾った卵から「何か」が孵る様子を描いた『ハッチング -孵化-』で世界を震撼させた人物だ。前作でも本作でも、監督が扱っているのは怪物そのものではなく、母と子のあいだに走る亀裂のほうにある。『ハッチング -孵化-』がYouTubeで無料配信された経緯を知っている人なら、その連続性はより見えやすいはずだ。
サーガを演じるのは、『コンパートメントNo.6』などで知られるセイディ・ハーラ。本作は北米最大級のジャンル映画祭である第30回ファンタジア国際映画祭で、最優秀作品賞と、セイディ・ハーラの最優秀演技賞をW受賞している。
NOROSHI第四弾作品『ナイトボーン -夜哭-』は、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかで全国順次公開中。















