小中高生が押し寄せている。『バックルームズ』日本初週末2.47億円


9月5日、小島秀夫が21歳のケイン・パーソンズ監督に「勝てないな」と漏らしたことをお伝えしたが、その熱は劇場の数字にも出ていた。9月4日に日本公開されたA24の『バックルームズ』が、初週末3日間で2億4,700万円をたたき出している。(フロントロウ編集部)
独立系では『Michael/マイケル』に次ぐ滑り出し
この数字は、2026年に公開されたホラー映画のなかでNo.1のスタートで、A24のホラー作品としても史上最高の初動となる。独立系の作品では『Michael/マイケル』に次ぐ大ヒットスタートだ。
もっとも、勢いは日本に限った話ではない。5月29日の全米公開時、初週末の興行収入は8,100万ドル(約129億円)。前週に公開された『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』を上回り、初週の全米1位を獲得した。初週末の世界興収は1億1,800万ドル(約188億円)に達し、世界興収ランキングでも1位。公開時20歳だったケイン・パーソンズは、アメリカを含む世界48カ国で初登場1位の映画を生んだ史上最年少の監督となった(7月21日現在、Box Office Mojo調べ)。
16歳の時にYouTubeへ投稿した短編「The Backrooms (Found Footage)」が伝説になり、17歳で映画化を企画、19歳で撮影。現在21歳の彼にとって、これがA24と組んだ長編デビュー作にあたる。
鑑賞者の49%が、吹替版を選んでいた
日本で目を引くのは、客層のほうだ。劇場側からは小中高生の来場が増えているという声が上がっており、9月6日に行われたケイン・パーソンズのティーチインイベントでは、日本の小学生が監督に英語で質問を投げかける場面もあった。
親子連れ、中高生のグループ、友人同士やカップルで訪れる20代。普段は洋画をあまり観ない層が動いている。それを裏づけるのが吹替版の比率で、諏訪部順一、小松未可子、三木眞一郎らベテラン声優陣が集結した吹替版は、鑑賞者全体の49%を占めた。石川界人、永瀬アンナ、鈴木崚汰も名を連ねている。
舞台は、都市伝説として語られてきた空間“Backrooms”。どこまでも続く黄色い壁紙の部屋、終わりのない廊下、意味を失って床に埋まった設置物。現実からわずかにズレた“リミナルスペース”という設定そのものが、インターネットのなかで育ったカルチャーだ。それを劇場というイベントとして体感したい、という熱が、全米公開時と同じ“バックルームズ現象”を日本でも起こしている。
「黄色い部屋に長時間いると精神的にひどく疲弊していく」
週末の速報とあわせて、ケイン・パーソンズと主演のキウェテル・イジョフォー、レナーテ・レインスヴェのインタビュー動画も到着した。
ケイン監督が語っているのは、空間づくりの執念だ。バックルームズの間取りは、壁を1メートル動かしただけでも、その空間を知り尽くしたファンには気づかれてしまう。だから細部までこだわってセットを組んだ。初めてその中に立った時のことを、彼は「何年も見てきた光景の中に、実際に立っていることに、感動した」と振り返っている。
演じる側にとっては、それが負荷にもなった。クラークを演じたキウェテル・イジョフォーは「あの空間に行くと不安が増す。黄色い部屋に長時間いると精神的にひどく疲弊していく。現実との接点を見失うのだから、その感覚は当然だ」と語る。俳優たちはケイン監督のものづくりの姿勢を職人のようだと評し、最新技術を使って撮影しているのに、昔ながらの撮影現場のようだったと賞賛している。
『バックルームズ』は全国公開中。上映時間は126分、配給はハピネットファントム・スタジオ。共演はマーク・デュプラス、フィン・ベネットら。
9月11日から、あの”黄色い壁紙”が持ち帰れる
大ヒットを記念した第2弾の入場者プレゼントが決まった。配布されるのは「『バックルームズ』黄色い部屋の記憶 壁紙ステッカー」。作中で観客を追い詰めるあの黄ばんだ壁紙を、そのまま切り取ったようなステッカーだ。
配布は9月11日(金)から、全国の上映劇場で始まる(一部劇場を除く)。先着数量限定で、なくなり次第終了となる。
9月18日からは“黄色い防護服”のステッカー。興収は5億を突破
公開後の勢いはさらに増している。日本での興行収入は週末を経て5億円を突破し、独立系作品では『Michael/マイケル』に次ぐ大ヒットスタートとなった。
劇場を出たばかりの観客の声を集めた体験コメント動画も到着した。「とにかく没入感がすごかった」「インフルエンザの時に見る、夢のようだ」「終わりのない怖さ」と、鑑賞直後の興奮がそのまま出ている。「多分、夢にでてきますね。壁に触れないように気を付けながら、帰ります」という一言に、この映画の後味がよく表れている。
あわせて第3弾の入場者プレゼントも決まった。配布されるのは「『バックルームズ』黄色い防護服ステッカー」。リミナルスペースに佇む、黄色い防護服に身を包んだアイコニックな人物をモチーフにしたステッカーだ。彼らは何者なのか、なぜ黄色い防護服を着ているのか——物語の謎を解くうえで注目を集めてきたモチーフでもある。配布は9月18日(金)から、全国の上映劇場で始まる(一部劇場を除く/先着数量限定、なくなり次第終了)。
10月6日、動員50万人を突破。国内のA24作品で興収No.1に
勢いは公開1カ月を過ぎても衰えていない。動員は50万人を突破し、国内で公開されたA24製作作品のなかで、『シビル・ウォー アメリカ最後の日』『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』『ミッドサマー』といった歴代の人気作を上回り、興行収入No.1となった。休日を中心に満席の回が続き、考察用の掲示板への書き込みに背中を押されるように、謎を確かめに“黄色い部屋”へ戻ってくるリピーターも増えている。
これを記念した第4弾の入場者プレゼントは「ワイド・メッセージカード」。コンセプトは、バックルームズを体験した人に贈る、不穏で“ながーい観光絵葉書”だ。表面には鑑賞後も瞼の裏に残りそうな3つの光景がデザインされ、ポストカードサイズの3種類の絵柄が連結したワイド仕様で届く。そのまま飾っても、切り離して3枚のカードとして使ってもいい。裏面を横長に使えば、バックルームズの壁一面にメッセージを書き込むこともできる。

配布は10月10日(土)から、その時点で上映中の劇場で始まる(一部劇場を除く/先着数量限定、なくなり次第終了)。第3弾の黄色い防護服ステッカーの配布は10月9日(金)で終わる。

















