スティーヴィー・ワンダーが、ロサンゼルスに所有する住宅に1988年から無償で住んでいる女性を相手取り、退去を求める訴訟を起こした。38年間にわたって続いてきた口頭での合意に基づく居住関係が、法廷で争われることになった。(フロントロウ編集部)
口約束で始まった38年間の「無償貸し」
米Billboardが入手した訴状によると、スティーヴィー(本名スティーヴランド・モリス)は2026年10月22日、カルメン・エファーソンという女性を提訴した。問題となっているのは、高級住宅地として知られるハリウッドヒルズにある寝室3部屋の一軒家。エファーソンは口頭での合意に基づき、38年間にわたって家賃を支払わずに暮らしているという。
エファーソンについて詳しいことは明らかになっていないが、彼女がこの家に移り住んだ1988年頃には、スティーヴィーと交流があったようだ。当時のBillboardの記事では、スティーヴィーがマイケル・ジャクソンと共演した楽曲「Get It」のミュージックビデオのプロデューサーとして、彼女の名前がクレジットされている。同年には、タブロイド紙が2人の婚約を報じたこともあったが、結婚には至らなかった。
住宅の点検を3度拒否、弁護士には暴言を含むメールも
なぜ今になって退去を求めたのか。そのきっかけは、住宅の保険だった。訴状によると、スティーヴィー側の担当者は2026年7月、損害保険の更新に必要な点検を実施するため、3度にわたって住宅への立ち入りを試みたが、エファーソンはこれを拒否。スティーヴィーの弁護士に対しては、攻撃的な言葉を含むメールを送ったとされる。
そのメールには、「人種差別的で冷酷な『白人男性の特権』を振りかざすような口調はやめて」「嫌がらせを受けていると感じる。私が住んでいる場所に立ち入るというあなたの『命令』には同意しない」とも記されていた。
弁護士は、点検に応じなければ退去を求めるとして、複数回にわたって法的な通知を送り、「選ぶのはあなたです」と伝えていた。しかし、エファーソンが応じなかったため、今回の提訴に至ったという。
スティーヴィーは裁判所に対し、エファーソンへの退去命令を求めるとともに、保険が失効したことによる損害として600ドルの支払いも請求している。エファーソン側は、Billboardの取材に対してすぐには回答しなかった。
名盤『Songs in the Key of Life』の発売50周年を迎え、アルバムの全曲を演奏する記念ツアーを発表したばかりのスティーヴィー。節目の年に、思わぬ私生活の問題が表面化することになった。




















