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タランティーノ、『ワンハリ』続編を執筆した理由を告白

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タランティーノ、『ワンハリ』続編を執筆した理由を告白
写真:Getty Images

 デヴィッド・フィンチャー監督が、クエンティン・タランティーノの執筆した脚本を60ページ削ったと明かしたのは今週のこと。その数日後、今度は脚本を手がけたタランティーノ本人がロサンゼルスの映画祭に登場し、ブラッド・ピット主演の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』続編の冒頭17分間を予告なしで上映した。そこで語られたのは、クリフ・ブースというキャラクターを再び描こうと決めた理由だった。(フロントロウ編集部)

「少し話すこともできるし、冒頭17分を見せることもできる」

 舞台となったのは、2026年10月23日(現地時間)の夜、ハリウッドのTCLチャイニーズ・シアターで開催されたAFI FESTの特別上映。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の上映後、タランティーノは映画批評サイト「ロッテン・トマト」のジャクリーン・コーリーを聞き手に迎え、Q&Aセッションに臨んだ。

 トークが終盤に差しかかり、新作について何か言い残すことはないかと尋ねられたタランティーノは、「『The Further Mis-Adventures of Cliff Booth』について少し話すこともできるし、冒頭17分を見せることもできる」と切り出した。タランティーノが立ち上がると、客席はこれから何が始まるのかを察したという。米Deadlineによると、これが本作の映像が一般の観客に初めて披露された機会となった。会場には、監督を務めたフィンチャーの姿もあった。

 スクリーンには、映画館の映写技師として働くクリフの姿が映し出された。その一方で、人には明かせない「裏の仕事」もこなしている様子が描かれていたという。米Varietyは、1977年のハリウッドが、いかにもフィンチャーらしいざらついた暗いトーンで描かれていたと伝えている。

覚えているのは酷評ばかり、でもひとつだけ

 上映に先立ち、タランティーノはなぜクリフを再び主人公にしたのかを語った。きっかけは、前作に寄せられた批評の一文だったという。

 「自分への良い批評って、言葉としてはあまり覚えていないんだ。悪い批評のほうはしっかり覚えているんだけどね。でも『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』について誰かが書いたひと言だけは覚えている。『これはクエンティン・タランティーノが描いた世界のなかで、本人が住んでみたいと思った初めての世界のようだ』というもの。たしかにそういう面はある」

 そのうえで、「クリフ・ブースというキャラクターが大好きだったし、ブラッドの演じ方も大好きだった。それに彼には、ペーパーバック小説のヒーローのようなところがあった。クリフがさまざまな冒険に首を突っ込む、ペーパーバック小説のシリーズが目に浮かんだんだ」とコメント。時がたつにつれて新たな冒険を思い描くようになり、クリフを「災難続きの冒険」に放り込んだらどうなるのか、見てみたくなったと振り返った。

 前作の小説版も自ら執筆したタランティーノは、「観客がすべてを知る必要はないけれど、僕が全部把握しているというのは悪くない」と、この世界への思い入れの深さものぞかせた。

最初の脚本読み合わせが、名優の「最後の演技」に

 Q&Aでは、前作の舞台裏も明かされた。マンソン・ファミリーが暮らす牧場の所有者、ジョージ・スパーン役には、当初バート・レイノルズを起用する予定だったという。

 「彼は引き受けてくれて、僕たちは親しくなった。でも映画を撮影する前に亡くなってしまった。それでもリハーサルと脚本の読み合わせは一緒にできたから、バート・レイノルズが人生で最後に見せた演技は、脚本読み合わせでのジョージ・スパーンだったんだ」

 この役は最終的にブルース・ダーンが演じることになった。ダーンのアドリブにブラッドが思わずカメラを止めてしまったというエピソードも、まさにこのスパーンの場面で起きたものだ。

 タランティーノは、自分の映画のなかから1本選んで鑑賞するなら本作だと語り、「誤解しないでほしいんだけど、僕は自分の物語が大好きだし、物語に思い入れがある。でもこの作品は、物語らしい物語がないところがいい。ただ彼らとぶらぶら過ごしている感じが好きなんだ」とも明かした。前作がそんな「登場人物たちと時間を共有する」映画だったのに対し、新作の公式あらすじでは「かつておとぎ話だったものが、今度は犯罪の物語になった」とうたわれている。

監督を務めなかったのは「文筆家」でいたいから

 本作の監督をフィンチャーに託した理由についても、タランティーノは「年齢を重ねるにつれて、文筆家でいることのほうが自分に合ってきた。脚本も小説も戯曲も、詩以外は全部ね」と説明している。

 11月からは、サシャ・バロン・コーエン主演でロンドンのウエスト・エンドにて上演される初の舞台作品『The Popinjay Cavalier(原題)』の稽古に入る予定だ。同作は2027年2月23日にプレビュー公演が始まり、3月18日にフェニックス劇場で正式に開幕する。

 また、映画監督としての引退作となる10作目の脚本も、すでに書き上げているという。

 新作の舞台は、前作の1969年から8年後となる1977年のロサンゼルス。ハリウッドのトラブルを解決する「フィクサー」となったクリフのもとに、タレントエージェント(エリザベス・デビッキ)から、テレビ界の大スター(スコット・カーン)に関する依頼が舞い込む。

『ザ・ファーザー・ミスアドベンチャー・オブ・クリフ・ブース』は、米国では11月25日にIMAXで公開され、12月23日からNetflixで配信される予定。日本でも11月25日(水)から12月10日(木)まで、期間限定でIMAX上映されることが決まっている。

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