米ロサンゼルスのハリウッド・ボウルで5公演を開催しているマイ・ケミカル・ロマンスが、ライブ演出をめぐって法的措置を受けた。問題となったのは、代表曲「ティーンエイジャーズ(Teenagers)」で登場したダンサーたちの衣装。全米で知られるチアリーダーチーム、ダラス・カウボーイズ・チアリーダーズ(DCC)のユニフォームに酷似していたという。(フロントロウ編集部)
ライフルを手にしたチアリーダーが「撃たれる」演出
マイ・ケミカル・ロマンスは現地時間2026年10月21日、名盤『ザ・ブラック・パレード』のリリース20周年を記念したハリウッド・ボウルでの連続公演をスタートさせた。同会場で5公演を連続開催するバンドは、彼らが初めてだという。
初日の公演では、アルバムの全曲披露に加えて演奏された「ティーンエイジャーズ」で、観客を驚かせる演出があった。DCC風の衣装を着たダンサーたちがステージに現れ、模造ライフルを手にバンドを守るように銃撃戦を演じたあと、最後は「撃たれた」かのようにステージから這って退場したのだ。
本物のDCCは、これまでにもポスト・マローンやケイシー・マスグレイヴス、ドリー・パートンのライブにサプライズで登場したことがある。しかし、今回ハリウッド・ボウルに登場したのは本物のDCCではなく、ダンスの振り付けも通常のDCCのものとは明らかに異なっていたと英NMEは伝えている。
「代わりの衣装のデザインは実質的に無限にある」
この演出を受け、DCCのブランドを所有するプロ・シルバー・スター社が法的措置に乗り出した。同社はまず、バンド側に衣装の使用中止を求めたが、拒否されたため、ステージ上でDCCのユニフォームに似た衣装を使用しないよう、裁判所に一時的な差し止め命令などを申し立てた。
申立書のなかで同社は、観客やSNSユーザーが、出演者を本物のDCCだと誤認して投稿しており、そうした情報が現在も拡散され続けていると主張。そのうえで、「シルバー・スターは訴訟を好むわけではなく、MCRの音楽や芸術的な野心、伝えようとするメッセージに異論はない」と説明した。また、セットリストや演出、政治的な主張、振り付け、さらには銃を持った出演者をステージに登場させる判断そのものについても、変更を求めているわけではないと強調した。
同社が求めているのは、ただひとつ。「出演者にDCCのユニフォームを着用させないこと」だけであり、「代わりの衣装のデザインは実質的に無限にある」と訴えている。
金曜日の公演でも同じ衣装で登場
それでも、バンド側は衣装を変更しなかった。米Rolling Stoneによると、現地時間10月23日(金)の公演でも、ファンが撮影した映像には、同じ衣装を着たチアリーダー風のダンサーたちが「ティーンエイジャーズ」の演奏中に再び登場する様子が映っていたという。申し立てに対するバンド側の公式なコメントは、現時点では報じられていない。
『ザ・ブラック・パレード』の20周年を記念し、マイ・ケミカル・ロマンスはボーナストラック6曲を追加収録した記念盤もリリースしている。また、ツアー中にはフロントマンのジェラルド・ウェイが、16年ぶりとなる新アルバムの可能性をほのめかす発言をしたばかり。ファンの期待が高まるなかで起きた今回の騒動が、今後の公演の演出にどのような影響を及ぼすのか、引き続き注目が集まりそうだ。




















