FRONTROW

トム・クルーズの吹き替え声優は誰?森川智之と字幕の戸田奈津子

FRONTROW Editorial Dept.
BY FRONTROW Editorial Dept.
トム・クルーズの吹き替え声優は誰?森川智之と字幕の戸田奈津子
(C) 2026 WBEI and Legendary

 映画館や配信でトム・クルーズの日本語吹替版を見て、「この声は誰?」と気になった人も多いはず。トムの吹き替えは、1999年公開の『アイズ ワイド シャット』の日本語版から、声優の森川智之が担当している。トム本人の公認も受けている声で、最新作『DIGGER/ディガー』でも続投した。この記事では、森川がトムの声を務めるようになった経緯と主な担当作品、念願だったトム本人との対面、そして字幕と通訳でトムを支えてきた戸田奈津子との関係までを紹介する。

トム・クルーズの吹き替え声優は誰?

 トム・クルーズの日本語吹き替えを担当しているのは、声優の森川智之だ。最初にトムの声を当てたのは、1999年公開の『アイズ ワイド シャット』のために作られた日本語吹替版で、それ以来『ラスト サムライ』『宇宙戦争』『トップガン マーヴェリック』、そして『ミッション:インポッシブル』シリーズの近作まで、トムの声を務め続けている。

 映画の宣伝でも、森川は「トム本人の公認も受けている」声優として紹介されてきた。2023年の『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』公開時、MOVIE WALKER PRESSは森川を「トム本人の公認も受けている」と伝えている。シリーズおなじみの吹替キャストも続投し、2025年の完結編『ファイナル・レコニング』でもイーサン・ハントの声は森川が務めた。

森川智之が吹き替えたトム・クルーズの主な作品

『DIGGER/ディガー』日本語吹替版の声優キャスト
(C) 2026 WBEI and Legendary
公開年作品役補足
1999年『アイズ ワイド シャット』ウィリアム・ハートフォード初めてトムを担当。吹替版はキューブリックの没後に制作
2003年『ラスト サムライ』ネイサン・オールグレン大尉DVD化に合わせた日本語版。渡辺謙も自ら吹き替え
2005年『宇宙戦争』レイ・フェリエオーディションを受けて決定
2022年『トップガン マーヴェリック』マーヴェリック声優になる前から憧れていた役
2023年『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』イーサン・ハント続投
2025年『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』イーサン・ハント続投
2026年『DIGGER/ディガー』ディガー・ロックウェル傲慢な石油会社CEO役

※報道で確認できた作品から抜粋

 なお、『ラスト サムライ』の吹き替えでは渡辺謙と一緒に収録した。ハリウッドに進出したばかりで吹き替えの経験が少なかった渡辺から「いろいろ教えてください」と言われ、その謙虚さに感動したと森川は振り返っている。

森川智之がトムの声に選ばれた理由は?

 きっかけは、スタンリー・キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』だった。キューブリックはそれまで日本語吹替版を一切作ってこなかったが、作品をBOXで販売するプロジェクトにあわせて、遺族の許可を得て初めて吹替版が作られることになった。森川の著書『声優 声の職人』を抜粋した文春オンラインの記事によると、このとき1年をかけたオーディションが秘密裏に行われ、最後に受けた森川がそのまま合格した。

 合格後には、キューブリックの右腕だったレオン・ヴィタリとの面接まであった。ヴィタリが求めたのは「トムとまったく同じことをしてくれ」ということ。ふつうは1日で終わる映画の吹き替えに、森川1人で1週間かかり、ベッドシーンではスタジオに置かれたベッドに横たわって、トムと同じ姿勢でせりふを録ったという。森川は、この現場を「役者としてのターニングポイント」と語っている。

 苦労は報われた。各国語版をチェックしたトムが「日本語版がもっとも素晴らしかった」と言ってくれたと、森川は人づてに聞いたという。これ以降、トムの吹き替えは基本的に指名で担当するようになった。ただし、すべてが指名だったわけではなく、『宇宙戦争』ではトムがそれまでと違う“駄目な父親”を演じるためにオーディションが行われ、森川も受けて役をつかんでいる。

トム本人と会ったことはある?

 森川がトムと初めて対面したのは、2014年の『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のジャパンプレミアだった。つないだのは、トムの来日時の通訳を長年務めてきた戸田奈津子。テレビ番組の対談で意気投合した戸田に「トムに会った? 会わないとダメ」と言われ、控え室でトムに紹介してもらったという。

 憧れの役もつかんだ。森川は声優になる直前に映画館で『トップガン』を見て、「俺はマーヴェリックだ!」と思いながら映画館を出たという。MA-1もどきのジャンパーにレイバンもどきのサングラス姿で、バイクの代わりに自転車で国道を走ったという逸話を、2022年の『トップガン マーヴェリック』の吹替版イベントで披露し、「願いはかなうんですね」と語った。

 最新作『DIGGER/ディガー』では、これまでのヒーロー像とは正反対の傲慢な石油会社のCEOディガーの声を担当した。

字幕と通訳の戸田奈津子とトムの関係は?

 吹き替えが森川なら、字幕でトムの言葉を日本の観客に届けてきたのが字幕翻訳家の戸田奈津子だ。『ミッション:インポッシブル』シリーズの字幕を手がけ、2025年5月に日本公開された『ファイナル・レコニング』でも字幕を担当した。

 戸田は、トムの来日時の通訳としても知られてきた。新作を引っさげてトムが来日するたびに、記者会見で隣に立っていたのが戸田だった。2025年5月の『ファイナル・レコニング』の来日会見では、トムが同年4月に旭日小綬章を受章した戸田を「とても特別な方」と紹介し、感謝の言葉を贈っている。

 ただし、戸田はすでに通訳の仕事からは退いている。2023年の対談では、前年に通訳の引退を表明した際にトムからも引き止められたと明かし、記者会見でテンポよく言葉を返す自信がなくなってきたことを理由に挙げた。字幕の仕事は今も続けている。

 2026年10月、『DIGGER/ディガー』のプロモーションで26回目の来日を果たしたトムは、戸田との特別対談に臨んだ。30年以上前の初来日で出会って以来の歩みを振り返り、戸田に「一緒にいてくれて本当にありがとうございます」と伝えている。

まとめ:トム・クルーズの吹き替えと字幕の要点

  • トム・クルーズの吹き替え声優は森川智之。『アイズ ワイド シャット』(1999年)の日本語版から担当し、トム本人の公認も受けている
  • 『ラスト サムライ』『宇宙戦争』『トップガン マーヴェリック』『ミッション:インポッシブル』近作、最新作『DIGGER/ディガー』まで続投
  • 『アイズ ワイド シャット』の日本語版は、トム自身が「もっとも素晴らしかった」と評価したと伝えられる
  • 森川とトムの初対面は2014年。間を取り持ったのは戸田奈津子
  • 戸田奈津子は『ミッション:インポッシブル』シリーズの字幕を担当。来日時の通訳は引退した

 トムの来日が26回を数える日本で、吹き替えと字幕の2つの声が、トムの言葉を観客に届けてきた。来日のニュースや出演作の話題はトム・クルーズの記事一覧で追いかけられる。(フロントロウ編集部)

MORE

FEATURE

RECOMMEND