パリ・オートクチュール・ファッションウィークで最も注目を集めたショーのひとつが、バレンシアガだった。ヴァレンティノで約25年間活躍したデザイナー、ピエールパオロ・ピッチョーリが、新天地で自身初となるバレンシアガのオートクチュールコレクションを発表。かつてのバレンシアガとは異なる、新たな世界観を打ち出した。(フロントロウ編集部)
ヴァレンティノからバレンシアガへ
パリ国際大学都市で開催されたバレンシアガのオートクチュール・フォール/ウィンター2026ショーで、新クリエイティブ・ディレクターのピエールパオロ・ピッチョーリがデビューを飾った。
ピエールパオロは、ヴァレンティノで約25年間活躍した人物。これまで、鮮やかなビビッドカラーと女性のシルエットを美しく引き立てるドレスで、多くのレッドカーペットを彩ってきた。2022年に発表した「Pink PP」コレクションはSNSでも大きな話題となった。そのピエールパオロは2024年にヴァレンティノを退任し、2025年5月にバレンシアガのクリエイティブ・ディレクターに就任。そして今回、バレンシアガで初となるオートクチュールコレクションを披露した。
バレンシアガガはこれまで前クリエイティブ・ディレクターのデムナのもとで、ストリートウェアの要素を取り入れた前衛的なクリエイションを打ち出してきた。一方、ピッチョーリのデビューコレクションでは、柔らかさとエレガンスを前面に押し出し、ブランドの新たな一面を印象づけた。
「2万4,000枚の花びら」が象徴するもの
ファッションメディア『Hypebae』によると、コレクションでは、羽根をあしらったドレスなど、素材の質感を生かしたルックが並んだ。一見シンプルながら、オートクチュールならではの高度な技術が随所に取り入れられていた。
コレクションのハイライトとなったのは、ガザール素材を2万4,000枚以上に細断した花びらを一枚ずつ縫い付けたドレス。パリの風を受けて揺れる姿が、ショーの感情的なクライマックスを演出した。『Hypebae』は、このデビューについて「バレンシアガに柔らかくロマンティックなビジョンをもたらした」と評している。
なお、このショーはジジにとって約4年ぶりとなるオートクチュールのランウェイでもあった。前回は2022年3月に発表されたオフホワイトの2022年秋冬オートクチュールコレクションに出演しており、今回が待望のクチュール復帰となった。
ショーの音楽は、ピッチョーリがヴァレンティノ時代から信頼を寄せてきた英国シンガーのアノーニが担当。新しい環境でも、信頼するクリエイティブチームとともに踏み出した第一歩となった。ピエールパオロによるバレンシアガの新章を印象づけるデビューとして、多くの称賛を集めている。















