デビュー作より先にツアーが完売した4人組、ウエストサイド・カウボーイ


UKマンチェスター発の4人組バンド、ウエストサイド・カウボーイがデビュー・アルバム『It Goes On』をリリースした。1枚目を出す前から現地メディアの評価とチケットの売れ行きが先行していた、いま最も気の早いバンドだ。(フロントロウ編集部)
11曲に入っているのは、若さの中にある大きな感情
ウエストサイド・カウボーイのデビュー・アルバム『It Goes On』が、2026年8月21日にリリースされた。所属レーベルのユニバーサル ミュージックによると、収録は11曲。混乱や切迫感、そして根拠のない希望といった「若さの中にある大きな感情」を、荒削りなギターとメロディ、そして4人の一体感で1枚に凝縮したという。
バンドはレーベルを通じて、この作品をこう説明している。「シンプルに言えば、若い頃の自分たちに向けたアルバムを作りたかったんです。自分たちが音楽を好きになるきっかけになった、数々の作品を思い出させてくれるような一枚を」。そのうえで、こうも続けた。「ホーンやストリングスをふんだんに取り入れた壮大な3枚組アルバムを作る時間は、これから先いくらでもある。でも今は、若い(と言っても少しだけですが)自分たちが作る、若々しい音楽なんです」。

プロデュースを手がけたのは、ギース、キャメロン・ウィンター、ワンダーホースらの作品で知られるローレン・ハンフリー。レコーディングはイングランド北部リーズのグリーンマウント・スタジオで行なわれた。先行して公開された「Kick Stones (The Boys)」「Pin Up Boys」「Dobro」に加え、リリース当日には収録曲「Worried Age」も披露されている。張り詰めた緊張感が徐々に熱を帯び、最後は荒々しい絶叫のクレッシェンドになだれ込む1曲だ。
全員がボーカルを取る、マンチェスターの4人組
バンドはギター&ボーカルのReuben Haycocks(ルーベン・ヘイコックス)とJames “Jimmy” Bradbury(ジミー・ブラッドベリー)、ベース&ボーカルのAoife Anson O’Connell(イーファ・アンソン・オコンネル)、ドラム&ボーカルのPaddy Murphy(パディ・マーフィー)という編成。全員がボーカルを兼ねる編成で、ロニー・ドネガン、ザ・ビートルズ、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドといったレジェンドに感化された子供心を原点に結成された。自分たちのサウンドは「Britanicana」と名づけ、「演奏していて一番楽しい音楽」を追求しているという。
彼らの名前が広まったのは、デビュー作が出る前年のことだ。2025年、英NMEがその年に注目すべき新人を選ぶ「THE NME 100」に選出され、さらにグラストンベリー・フェスティバルが主催する新人オーディション「Emerging Talent Competition」で優勝。それをきっかけに、同フェスの本編ステージにも立った。英国の音楽番組『Later… with Jools Holland』でのパフォーマンスも話題を呼んでいる。
現地メディアの評価も高い。英Rolling Stone誌は彼らを、ここしばらくの間にUKから登場したギター・バンドのなかでも最もスリリングで刺激的な存在のひとつだと評し、英DAZED誌は「ウエストサイド・カウボーイはUKインディーの新たな形を作りつつある」と書いている。デビュー作が出るより先に、評価のほうが積み上がっていたバンドなのだ。
チケットは、アルバムが出る前に売り切れていた
2026年の秋から冬にかけては、自身最大規模となるヘッドライン・ツアーが控えている。ロンドンのザ・フォーラムを含むUK公演は、アルバムのリリース前の時点ですでに全日程がソールドアウト。トラムラインズ、ラティチュード、TRUCKといったフェスティバルにも出演し、ライブでの評判をそのまま動員に変えてきた。
彼らが掲げるモットーは「No Band is an Island(どのバンドも孤島ではない)」。同じ志を持つバンドと共演を重ね、シーンのコミュニティごと巻き込みながら大きくなってきた4人組にとって、『It Goes On』はようやく手元に残った最初の1枚ということになる。















