『ハリー・ポッター』の約70年前を描く『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、3作を通して人間関係がどんどん複雑になっていく。「クリーデンスは結局誰の子?」「クイニーはなぜ敵側に?」と混乱した人も多いはず。この記事では、登場人物18人のオリジナル相関図と、キャスト付きの一覧表、勢力ごとの解説で人間関係を徹底的に整理する。情報は3作目『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』までを反映した完全版だ。
主要人物の相関図(キャスト付き完全版)

ワーナー・ブラザース公式サイトWizarding Worldの解説によると、シリーズの軸は「ダンブルドアとグリンデルバルドの因縁」と「クリーデンスの出生の謎」の2本。この2本を押さえたうえで、主人公ニュート周辺の恋愛・友情、MACUSA(アメリカ合衆国魔法議会)の面々、レストレンジ家の血縁という3つのかたまりを重ねると、各人物の動きが一気に見通せる。
登場人物・キャスト一覧(20人)
| 人物(演じた俳優) | 立場 | 主な関係 |
|---|---|---|
| ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン) | 主人公・魔法動物学者 | ティナと恋仲→のちに結婚。ダンブルドアの依頼で動く |
| ティナ・ゴールドスタイン(キャサリン・ウォーターストン) | MACUSAの闇祓い | ニュートの恋人。クイニーの姉 |
| クイニー・ゴールドスタイン(アリソン・スドル) | 読心術の使い手 | ジェイコブと恋仲。一時グリンデルバルド側へ |
| ジェイコブ・コワルスキー(ダン・フォグラー) | ノー・マジのパン職人 | クイニーと恋仲→3作目で結婚。ニュートの親友 |
| テセウス・スキャマンダー(カラム・ターナー) | 英魔法省の闇祓い | ニュートの兄。リタの婚約者 |
| リタ・レストレンジ(ゾーイ・クラヴィッツ) | 名門レストレンジ家の娘 | テセウスと婚約。ニュートの学生時代の親友 |
| ユスフ・カーマ(ウィリアム・ナディラム) | リタの異父兄 | レストレンジ家への復讐を誓う |
| セラフィーナ・ピッカリー(カルメン・イジョゴ) | MACUSA会長 | ゴールドスタイン姉妹の上司 |
| パーシバル・グレイブス(コリン・ファレル) | MACUSA幹部 | 正体はグリンデルバルドの変身した姿 |
| アバナシー(ケヴィン・ガスリー) | MACUSA職員 | のちにグリンデルバルドの配下へ |
| アルバス・ダンブルドア(ジュード・ロウ) | ホグワーツの教師 | グリンデルバルドとは若き日の恋人にして宿敵 |
| ゲラート・グリンデルバルド(J・デップ→M・ミケルセン) | 闇の魔法使い | 魔法界による支配をもくろむ |
| クリーデンス・ベアボーン(エズラ・ミラー) | オブスキュラスの青年 | 正体はダンブルドア家の血縁 |
| メアリー・ルー・ベアボーン(サマンサ・モートン) | 魔女狩り団体「新セーレム救世軍」の指導者 | クリーデンスの養母 |
| ナギニ(クラウディア・キム) | 血の呪いを持つ女性 | クリーデンスの理解者 |
| バンティ・ブロードエーカー(ヴィクトリア・イェイツ) | ニュートの助手 | 3作目で重要な任務を担う |
| ニコラス・フラメル(ブロンティス・ホドロフスキー) | 錬金術師 | ダンブルドアの盟友。「賢者の石」の作り手 |
| ミネルバ・マクゴナガル(フィオナ・グラスコット) | ホグワーツの教師 | 若き日の姿で登場 |
| ルーナ・ラブグッド(本編:イヴァナ・リンチ) | 『ハリポタ』本編の登場人物 | ニュートの孫ロルフと結婚 |
| ナーラク(ロン・パールマン) | ゴブリンの情報屋 | 1作目で地下酒場を仕切る |
ニュートから見た相関図
ニュート・スキャマンダーの周りは、シリーズの「恋愛と友情」担当だ。ニューヨークで出会った捜査官ティナとは、すれ違いを重ねながらも惹かれ合い、のちに結婚する。ティナの妹クイニーと、ニュートの相棒的存在になるマグルのジェイコブも恋人同士。ただし「魔法使いとマグルの結婚」は当時の米国では禁じられており、この禁断の恋が、クイニーが「マグルとの共存」を掲げるグリンデルバルドに引き寄せられる悲劇の入り口になる。

また、ホグワーツ時代のニュートの唯一の親友だったリタ・レストレンジは、ニュートの兄で闇祓いのテセウスと婚約。兄弟と彼女の三角関係めいた過去も『黒い魔法使いの誕生』で描かれた。そして忘れてはいけないのが、ロンドンでニュートの魔法動物たちを世話する助手バンティ。出番は控えめながら、『ダンブルドアの秘密』ではニュートが誰よりも信頼を寄せる任務を託され、株を大きく上げた人物だ。
MACUSAの面々。ゴールドスタイン姉妹と3人の同僚
物語の第1の舞台となる1926年のニューヨークを仕切るのが、アメリカ合衆国魔法議会(MACUSA)だ。トップに立つのは会長セラフィーナ・ピッカリー。魔法界の秘匿を最優先する厳格な指導者で、規則破りの常習犯ニュートとは折り合いが悪い。その下で働くのがゴールドスタイン姉妹で、姉ティナは一度降格されながらも現場に戻る叩き上げの闇祓い、妹クイニーは人の心が読めてしまうがゆえに孤独を抱える魔女だ。

そしてMACUSAには2人の「裏切り者」がいる。ひとりは魔法安全保障部長パーシバル・グレイブス。第1作の黒幕として暗躍したが、その正体は変身したグリンデルバルド本人だった。もうひとりが地味な職員アバナシー。『黒い魔法使いの誕生』の冒頭、グリンデルバルド護送中の大脱走に手を貸し、以後は配下として付き従う。権力の中枢が内側から崩れていく構図は、このシリーズの不穏さを象徴している。
レストレンジ家の因縁。リタと異父兄ユスフ・カーマ
『黒い魔法使いの誕生』の裏の主役が、純血の名門レストレンジ家をめぐる血の因縁だ。リタは家名の重さと、幼い日に実弟コーヴァスを取り違えて失った罪悪感を抱えて生きてきた。一方、セネガル系の魔法使いユスフ・カーマはリタの異父兄。母をレストレンジ家に奪われた恨みから、「破れぬ誓い」によって一族への復讐を誓っており、その標的探しがクリーデンスの出生の謎と絡み合っていく。

婚約者テセウス、旧友ニュートという善側の人間関係の中心にいながら、家の呪縛からは逃れられない。パリの集会でグリンデルバルドに単身立ち向かうリタの最期は、シリーズ屈指の切ない場面として語り継がれている。
新セーレム救世軍とクリーデンス
ニューヨークの路地裏で「魔女は実在する」と叫ぶ団体が、メアリー・ルー・ベアボーン率いる魔女狩り団体「新セーレム救世軍」だ。メアリー・ルーは養子のクリーデンスを日常的に虐待しており、この抑圧こそが悲劇の源になる。

魔力を無理に抑え込まれた子どもの内側には「オブスキュラス」という黒い暴走エネルギーが育ち、宿主もろとも周囲を破壊してしまうのだ。通常は10歳まで生きられないとされるオブスキュラスの宿主として、青年期まで生き延びたクリーデンスは前例のない存在であり、だからこそグリンデルバルドに狙われることになる。孤独な彼に寄り添った数少ない存在が、のちにヴォルデモートの蛇となる運命を背負ったナギニだった、という点も切ない。
ダンブルドアとグリンデルバルドの因縁
ダンブルドアとグリンデルバルドは、若き日に「魔法使いによる新秩序」を夢見た親友同士。しかも『ダンブルドアの秘密』では、2人が愛し合う関係だったことがはっきり語られた。決別後も互いへの想いと「血の誓い」に縛られ、直接戦えないダンブルドアは、ニュートたちをいわば代理人として送り込む。シリーズ全体が「かつての恋人同士の代理戦争」という構図になっているわけだ。
クリーデンスの正体は?出生の謎の答え
シリーズ最大の謎が、クリーデンスの出生だ。『黒い魔法使いの誕生』のラストでグリンデルバルドは彼を「アウレリウス・ダンブルドア」と呼び、ダンブルドアの弟だとほのめかした。真相は『ダンブルドアの秘密』で判明する。クリーデンスは、アルバスの弟アバーフォース・ダンブルドアの息子、つまりアルバスの甥だった。グリンデルバルドはこの出自を利用し、「ダンブルドアを殺せる存在」としてクリーデンスを駒にしようとしたのだ。ちなみにユスフ・カーマが追っていた「レストレンジ家の御曹司コーヴァス」とクリーデンスは別人というのが2作目の答えで、出生の謎は2段構えのどんでん返しになっている。
『ハリー・ポッター』本編につながる人々
ファンをニヤリとさせるのが、本編でおなじみの顔ぶれの「若き日」だ。『黒い魔法使いの誕生』にはホグワーツの若きミネルバ・マクゴナガル先生が登場。さらに『ハリー・ポッターと賢者の石』の重要アイテム「賢者の石」を作った錬金術師ニコラス・フラメルが、600歳の老体でパリの戦いに参戦するサプライズもあった。ダンブルドアの盟友という設定が、そのまま本編第1作の伏線につながっていく。

そして人物のつながりでいえば、ニュートの孫ロルフ・スキャマンダーは、本編のルーナ・ラブグッドと結婚する。『ファンタビ』と『ハリポタ』は、血縁でも物語でも地続きなのだ。
キャスト交代劇。デップからミケルセンへ
キャストの変遷もこのシリーズの語りどころだ。グリンデルバルド役は1〜2作目をジョニー・デップが演じたが、2020年に降板を発表し、3作目『ダンブルドアの秘密』からはマッツ・ミケルセンが引き継いだ。凄みのデップ、静かな知性のミケルセンと、同じ役でまったく違う恐ろしさを見比べられるのはファンの余禄といえる。
また1作目は、正体を隠したグレイブス(コリン・ファレル)がグリンデルバルドとして動くため、実質「3人の俳優が同じ闇の帝王を演じた」ことになる。若きダンブルドアを演じるジュード・ロウの、本編のダンブルドアを思わせる飄々とした佇まいにも注目したい。
相関図を頭に入れて見直すと2倍面白い
人間関係を整理してからシリーズを見直すと、初見では流していた視線や台詞の意味が次々つながっていく。特に『黒い魔法使いの誕生』は相関図の理解度で評価が変わる1本。ハリポタ本編との血縁のつながりも多いので、本編のキャラクターをおさらいしてから臨むと、より楽しめるはずだ。(フロントロウ編集部)


















