エナジードリンクと心停止に関連性?米研究で約11倍の報告


眠気覚ましや運動前の一本として手に取る人も多いエナジードリンク。カフェインなどの刺激作用がある成分を含む飲料やサプリメントでは、そうした成分を含まない食品と比べて心停止が約11倍多く報告されていたとする研究結果を、米国心臓協会(AHA)が米時間11月2日に発表した。心臓に関する健康被害の報告のうち、半数近くが18~34歳の若い世代だった。(フロントロウ編集部)
2万8,000件超の報告から見えた傾向
研究をまとめたのは、米バージニア大学医学部4年生のサイ・サマヤマントゥラ氏ら。米食品医薬品局(FDA)に2017年から2025年までに寄せられた、13歳以上の人に関する健康被害の報告2万8,345件を分析した。
このうち854件が、カフェインやガラナなどを含む飲料やサプリメントに関するものだった。ソフトドリンクやプロテインバーなど、こうした刺激成分を含まない食品に関する報告と比べると、心停止は約11倍、心臓発作は約4.5倍、不整脈や動悸は約4倍多く報告されていた。
心臓に関する健康被害の報告のうち、約45%が18~34歳の若い世代で、男女ともに同様の傾向が見られたという。
サマヤマントゥラ氏は、こうした製品がソーダやミネラルウォーターの隣に並び、日常的に手軽に活力を補給できる商品として販売されていると指摘。そのうえで、「カフェインや刺激作用のある成分を含む製品の安全性について、より体系的な監視が必要だという考えを裏づける結果です」と話している。
「飲んだら危険」とまでは言えない
今回の研究は、健康被害の報告件数を比較した観察研究であり、エナジードリンクが心停止を引き起こすと証明したものではない。健康被害は消費者や医師などが任意で報告する仕組みで、問題なく摂取している人の数も把握できていない。若い世代で報告が多い理由についても、摂取量の違いや、激しい運動の前に飲む、アルコールと混ぜて飲むといった摂取方法、本人が気づいていない心疾患などが考えられるものの、原因は特定されていない。
AHAは、健康な成人の場合、1日400mgまでのカフェイン摂取は一般的に安全とされていると説明している。一方で、エナジードリンクの中には、コーヒーの最大3倍の濃度のカフェインを含む製品もあるという。
日本でも厚労省が「飲みすぎ」に注意喚起
日本では、カフェインの1日当たりの摂取量について、一律の上限は定められていない。厚生労働省は、カフェインを添加した清涼飲料水の中には、1本でコーヒー約2杯分に相当するカフェインを含む製品もあるとして、1日に何本も飲んだり、別のカフェイン飲料と併せて摂取したりしないよう注意を呼びかけている。また、子どもや妊娠中の人、カフェインに敏感な人には摂取を控えるよう促している。

今回の研究結果は、米時間11月6日から9日までシカゴで開催されるAHAの学術集会で発表される予定だ。

















