台湾・阿里山森林鉄道の線路脇にテント設営、家族連れに罰金か


台湾の人気観光地・阿里山を走る森林鉄道で、線路のすぐ脇にテントを張って休んでいた家族連れが見つかり、罰金を科すための手続きが進められることになった。列車の運転士が気づいて通報し、事故には至らなかった。(フロントロウ編集部)
運転士が発見した「線路脇のテント」
テントが見つかったのは、現地時間10月31日(土)の正午ごろ。場所は阿里山森林鉄道の二萬平駅付近で、走行中の列車の運転士が線路沿いに張られたテントに気づき、鉄道職員に知らせた。
台湾の中央通信社(CNA)が運営する英語ニュースサイト『Focus Taiwan』によると、駆けつけた職員は現場を撮影したうえで、家族に立ち退くよう求め、警察にも通報した。地元・嘉義県の警察によると、テントを張ったのは高という姓の男性。週末の旅行で近くの宿泊施設を予約していたものの、チェックインの時刻より早く到着したため、子どもたちを休ませようと線路脇にテントを設営したという。
警察は、早期発見によって事故を防ぐことができたとしたうえで、鉄道を所管する交通部鉄道局に違反を報告した。台湾の鉄道法では、線路周辺の立ち入り禁止区域に侵入した場合、1人当たり1万~5万台湾ドル(約5万~24万円)の罰金が科される可能性がある。
線路を歩く観光客への取り締まりも強化
阿里山の線路周辺で危険な行動が確認されたのは、今回が初めてではない。森林の景色を楽しもうと線路を歩く観光客が以前から後を絶たず、鉄道側は台風被害から本線が復旧した2024年7月以降、警察と合同で取り締まりを強化してきた。2024年12月から2026年5月までに33回の合同パトロールを実施し、33人が罰金の対象となっている。今年6月にも、同じ二萬平駅付近で線路を歩いていた観光客4人が見つかった。
警察は、線路周辺の立ち入り禁止区域への侵入は違法であるだけでなく、本人の安全や列車の運行を脅かす危険な行為だとして、注意を呼びかけている。
日本とも縁の深い山岳鉄道
阿里山森林鉄道は、日本とも縁の深い路線だ。国土交通省の資料によると、日本統治時代の1914年に台湾南部の森林資源を輸送するために建設され、日本人技術者も建設に携わった。現在は黒部峡谷鉄道や大井川鐵道と姉妹鉄道の関係にあり、ループ線や8の字を描く線路を通って約2,250メートルの標高差を上り下りする珍しい路線として、日本鉄道賞の海外鉄道特別賞も受賞している。
12月には、蒸気機関車が牽引する列車で紅葉を楽しむ特別ツアーが計5回運行される予定だ。今回テントが設営された二萬平駅にも停車し、機関車が三角線を使って方向転換する様子を見学できる。第1回の予約受付は、現地時間11月17日午前10時から開始される。


















