現役のサッカー選手として活躍していた2005年から、UNICEF(ユニセフ/国際連合児童基金)の親善大使を務めているデヴィッド・ベッカムが上半身裸で出演する、ある動画が話題に。
デヴィッドのトレードマークと言えば、サッカーで鍛え上げたマッチョな肉体の至る所に入っている40個以上ものタトゥー。
今週UNICEF UKの公式Youtubeチャンネルで公開された公共広告動画には、そんなデイヴィッドの体に施されたタトゥーの数々が動き出すという、アーティスティックで不思議な演出が取り入れられている。
一見、ポップなコンセプトと捉えてしまいそうなこの動画には、実は「子供たちへのあらゆる暴力を防止しよう」という深いメッセージが。
「VIOLENCE MARKS FOREVER(暴力は永遠に傷跡を残す)」というタトゥーから始まる映像では、デイヴィッドの体に描かれた子供たちのタトゥーが、邪悪な大人の影や怒鳴り声に怯え、涙したり、クラスメートや教師からのいじめに苦しんだり、ネット上での犯罪に巻き込まれたり…といった恐ろしい様子が映し出される。
これらのタトゥーは実際にデイヴィッドの体に彫られているものではないけれど、「子供たちが味わった暴力の恐怖や痛みは、タトゥーのように一生心や体に刻まれてしまうものだ」という警告を発する手段として、この手法が選ばれたとUNICEFのオフィシャルサイトで解説されている。
妻のヴィクトリアとの間に息子3人と娘1人を持つ子煩悩な父親として知られ、世界中の子供たちにとってより安全で平和な社会を作ることを目指す基金「7」(セブン)を自ら立ち上げているデイヴィッド。
「子供への暴力は絶対に間違っている、終わらせよう」と、ひと肌脱いで伝えたかった彼のメッセージが、たくさんの人々に伝わることを祈りたい。
Text & Photo: フロントロウ編集部(FRONTROW)/Ayumi Nakazawa、 スプラッシュ/アフロ、 ニュースコム、Instagram/