
現場となった通称「ノー・アドレス・ホテル」で、キムと共に犯人たちに拘束された受付職員のアブドゥル・ラーマン氏が、今週、米エンターテインメント・トゥナイトの動画インタヴューに顔出しで出演し、事件に関する新な情報を明らかにした。
犯人たちの狙いは現金だった
被害総額10億円以上とも言われる同事件で盗まれてしまったキムの所持品の中で、最も高価だったとされるのが、キムが夫カニエ・ウェストから贈られた巨大ダイヤつきの約4.5億円の指輪。

事件前、カニエから貰った指輪を嬉しそうに見せびらかしていたキム。
事件前、SNS上でキムがこの指輪を着けた写真を公開し、見せびらかすような素振りを見せていたことが、犯人たちが彼女を狙うキッカケを作ってしまったと信じられていたけれど、ラーマン氏はインタヴューでこれを否定。「男たちはあくまでも現金を要求していた」と証言した。

エンターテイメント・トゥナイトに出演したラーマン氏。事件当時、あまりにも冷静だったことから、一時は警察から疑いの目を向けられ、フランスの雑誌を通じてキムに宛てた公開メッセージを出していた。
警察官を装った犯人たちはラーマン氏を拘束し、彼を連れてキムの部屋に押し入ると、フランス語で「金、金、金! 金はどこだ!?」と現金を出すようキムをまくしたてたという。
キムと犯人のやりとりを振り返る キムは誤ってあの指輪を差し出してしまった?
しかし、フランス語が解らないうえ、パニック状態のキムは、どうしていいかわからず、ただただ困惑。さらに、犯人も英語が解らなかったため、両者は意思の疎通に苦労していたという。

キムが滞在していたペントハウス内部の様子。

ラーマン氏は「キムは犯人の1人が『ダイヤの指輪を出せ』と言っていると勘違いしてしまったようで、(指輪が着いていない)自分の両手を男に見せていたよ。そうしたら、男が『指輪はどこだ?』と言い出して、彼女は仕方なくローテーブルの上に置いてあったあの指輪を男に渡したんだ」と当時のキムと犯人とのやりとりを振り返り、男はキムから奪い取ったダイヤの指輪をポケットに入れた後も、「現金を出せ!」と言い続けていたと話している。
もともとあまり現金を持ち歩かない主義のキムの部屋で、目当ての現金を見つけることができなかった犯人たちは、部屋を物色すると仕方なく宝飾品をリュックサックに詰めて現場を後に。

現場ホテル近くの路上に設置された防犯カメラからの映像の1コマ。自転車で逃走する犯人の手元にはキムの部屋から奪った宝飾品が入ったバッグが。
転売が難しい宝石類にはあまり関心が無かったのか、犯人のうちの1人が持ったリュックサックの口は開いたままになっており、逃走の際にホテル内にいくつかのジュエリーを落として行ったという。
パリ市警は現在も、犯人とみられる5人の男の行方を全力で追っている。