一体何を買えば「幸せ」になれるのか?
心理学者や経済学者たちで構成された国際研究チームが報告したある画期的なリサーチが、米国科学アカデミーが出版する研究論文集『the Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)』の最新号に掲載。
その研究結果とは、「時間を買えば、幸せになれる」という説を実証するもの。
アメリカ、カナダ、オランダの6,000人の被験者たちを対象に行われた実験で、研究者たちは、時間の節約につながる商品やサービスへの出費と生活満足度の関連性を調査。
その結果、物質的な消費よりも、「時間の節約」となるモノやサービスにお金を使った人のほうが、生活満足度が高いということが明らかに。

つまり、掃除ロボットや家事代行サービスなど、日常の面倒だと感じる雑用を任せることができるアイテムやサービスを利用したり、もしくは、自炊をする代わりに外食をする、鈍行列車を使う代わりに特急列車を使うなどして、1日のうちに確保できる自由時間を増やすことで、より「幸せだ」と感じる人が多く、時間に追われることのストレスから逃れることで、より暮らしへの満足度がアップするというというわけ。
この結果は収入の高さに関係なく得られたもので、被験者の中には、億万長者からごく平均的な収入の人々までさまざま。必ずしもすべての人に当てはまるというわけではないが、多くの被験者において同様の回答が得られたため、信憑性は極めて高いと言える。
英語では「Time is money(タイム・イズ・マネー)」という古くからの格言があり、日本でもこれが、「時は金なり」と翻訳されて、ことわざとして親しまれているけれど、今回の研究結果はまさにそれを裏付けるものとなった。