芸術作品はOKなのに実物はNG?
イギリス、ロンドンにあるヴィクトリア&アルバート博物館を訪れたある女性が、展示会場内のベンチで息子に授乳することに。すると、その様子に気づいた係員にすぐさま胸を隠すようにと注意されてしまった。
このことに憤りを感じた女性は、ツイッター上である行動に。
彼女は、女性が胸をさらけ出している姿を題材にした芸術作品は許されるのに、母親が我が子に授乳するために胸を出すのは許されないというのは矛盾しているとして、この日、館内に展示されていた女性の乳房が丸見えとなっている彫刻や絵画などのアート作品の写真を次々と投稿。「ヴィクトリア&アルバート博物館で授乳するために、ほんの10億分の1秒だけ乳首を出したら、すぐに隠すように注意されたわ。困惑してる」とコメントした。
さらに、「ヴィクトリア&アルバート博物館で1日過ごしてみて良かった点は、いろんな時代の女性のバストの描写を鑑賞できたことね」と皮肉たっぷりの発言も付け加えたほか、アート作品の写真の数々におもしろコメントをつけて公開。
「すみません、奥様。授乳中の胸をこの仮面で隠していただけますか?」
「この博物館で胸を出したら外へ投げ出すぞ!」、「えぇ…でも私大理石でできてますけど!」、「おや、それなら大丈夫です」
博物館側が反応
この女性のユーモアに満ちた行動は、世界各国のメディアで報じられ、世間からは「確かに!」、「面白すぎる!」との声が上がるとともに、博物館側の対応に対するブーイングの声も数多く寄せられることに。
これを受け、博物館側の責任者がこの女性にツイッターを通して謝罪。「申し訳ありませんでした。私たちのポリシーは明確です:女性はいつでもどこでも授乳をして良いものとし、快適な授乳を妨げられないものとします」とメッセージを送った。
.@vaguechera V sorry. Our policy is clear: women may breastfeed wherever they like, wherever they feel comfortable & shld not be disturbed.
— Tristram Hunt (@TristramHuntVA) 2017年8月5日
現在、海外の多くのママたちの間では、より子育てしやすい環境づくりの一環として「公の場での授乳をあたりまえのものとしてほしい」という要望が多数。
さらにこの一件が起きた8月1日から7日までは「World Breastfeeding Week(世界母乳ウィーク)」だったこともあり、予想以上の注目を集めたため、博物館側は早急な謝罪を決断したよう。
「公の場での授乳はアリかナシか?」という問題は、昨今海外で熱い議論が繰り広げられており、ヴィクトリアズ・シークレットの人気モデル、キャンディス・スワネポールやシンガーのピンクがSNS上で授乳中の写真を公開した際にも、賛成派と反対派の間で意見が分かれていた。