リアーナDV事件
今からさかのぼること8年前、2009年のグラミー賞授賞式の前夜にクリス・ブラウンが当時交際していたリアーナに対して起こしたDV事件。
クリスの浮気を疑ったリアーナがそれを追及してはじまった口論が発展して、激怒したクリスがリアーナの顔を殴るなどの暴行を加えて逮捕・起訴された。
クリスは逮捕後に声明を発表したが、これまで、自身の人生が一変したこの出来事の詳細や当時の心境を語る事はなかった。
一連の事件により5年間の保護観察、1年間のDVカウンセリング、6ヵ月の社会奉仕活動、リアーナへの接近禁止を命じられたクリスは、事件の詳細について彼の見解をはじめて口にした。
「自分がモンスターになった気分だった」
クリス本人が制作に協力したドキュメンタリー映画『ウェルカム・トゥ・マイ・ライフ』の一部分で語られたのは、元恋人リアーナとの関係。
クリスとリアーナは10代の頃に恋に落ち、すぐに真剣交際に発展。交際1年に達しようとしていた頃には結婚を考えていたそうで、クリスはある行動に出たという。
「彼女に言ったんだ、『君と結婚したいと思ってる。君には正直になって、すべてを明かしたい。俺らが付き合う前に、あの子と性的な関係を持ったよ』ってね」
「あの子」とはクリスのスタッフの女性で、クリスは過去にリアーナに女性との関係を聞かれた時に「何もない」と嘘をついていたという。
「(嘘を告白したことで)リアーナからの信用をすべて失ってしまった後は、彼女にすごく嫌われたんだ。だから出来ることを全部やったけど、ダメだった。まったく信用してくれなかった。そこから崖から落ちるようにケンカが絶えなくなって、口論や手が出るケンカを繰り返していた。両者がやっていたんだ。自分の言い分を言えるのはこれが初めてだけど、それに、俺はリアーナのことを愛しているけど、正直に言うよ。両者で争っていて、リアーナも殴れば、僕も殴り返した。でもそれは絶対にしてはいけないことだった」
クリスの女性問題がきっかけとなり、どんどん離れていく2人の気持ちの一方で増えていく暴力に、クリスは「自分がモンスターになった気分だった」と語った。
事件当日を語ったクリス
グラミー賞授賞式の前夜祭後に起きた事件の日も、良好とは言えなかったクリスとリアーナの関係。そんな関係が完全に崩壊する引き金となったDV事件の詳細についても、クリスは言及した。
まず前夜祭で、過去にクリスが一夜を共にした女性が彼に声をかけたせいでリアーナが泣いてしまい、ちょっとしたトラブルに。
いったんは落ち着きを取り戻し、前夜祭では仲睦まじい姿を見せていた2人だけれど、イベントが終わった後にクリスの車に乗ったリアーナが、クリスの携帯電話に送られたその女性からのメールを発見しことで口論が勃発。
「女性とのメールを見て浮気を疑ったリアーナがキレて、車の中で何回も殴ってきた。彼女が運転している僕にキックしようとしてきたから、ガチで顔面を殴ってしまったんだ。それで彼女の唇がぱっくり割れてしまった。それを見て『なんで彼女を殴ってしまったんだ』とショックを受けたよ。でも彼女が血の付いたつばを僕の顔面に吐いたから、それが僕をさらにブチ切れさせたんだ」
激怒したクリスがヒートアップした状態を治めるため車を停めた時に、リアーナが車のカギを外に投げるフリをして、クリスがそれを探すために外に出た隙をみて、彼女が大声をあげて「この人に殺される」と助けを求めたと、事件の詳細を話したクリスだった。
「R&B界のプリンス&プリンセス」として、もてはやされたクリスとリアーナの関係を一瞬して悪夢に変えてしまったこのDV事件。
今まで語られることがなかったクリスの見解が、同ドキュメンタリー映画ではDJキャレッドやマイク・タイソンのコメントも加えて語られている。