黒いトイレットペーパーに批判殺到
ブラジルのトイレットペーパーメーカーが発売した、黒いトイレットペーパーの広告に起用されたあるスローガンが、人種差別の歴史を思い起こすとして批判されている。
黒いトイレットペーパーにくるまった白人女性が写るこの広告には、「ブラック・イズ・ビューティフル(Black Is Beautiful)」というスローガンが掲げられている。

じつはこの「ブラック・イズ・ビューティフル(Black Is Beautiful)」という言葉は、1960年代にアメリカで行われた、黒人の公民権の適用と人種差別の撤廃を訴えた公民権運動で使われていたスローガン。
このことに気が付いたあるライターが、この広告が人種問題を利用していると指摘した内容の投稿をフェイスブックにすると、これが瞬く間に拡散。
アメリカの歴史の中でも重要な出来事であり、歴史に残る活動家をはじめ多くの人が命を落としたムーブメントだったため、この広告が同じスローガンを使い、なおかつ白人モデルを起用したことに批判が殺到。
一方で、この広告はブラジルのトイレットペーパーブランドのものであり、ブラジル人にとって「ブラック・イズ・ビューティフル(Black Is Beautiful)」という言葉が、アメリカの人種差別撤廃のスローガンとリンクするとは限らないため、過剰に反応しすぎだという意見もある。
こうした両方の意見がぶつかり合い議論は激化。ついにメーカーが声明を発表するとともに、広告に添えられていたスローガンを取り下げることを決定した。

「私たちは、パーソナルVIPブラック・トイレットペーパーの発売を通して、人種問題の議論を起こすつもりはありませんでした。(中略)我々は黒人運動を敬服しており、そこで使用されたフレーズを連想させてしまった事を謝罪致します」
さらに、この広告に出演した白人モデルも自身のツイッターを通して謝罪した。