10代~ 音楽への目覚め
■子供のころから音楽が癒しだった
自分に自信のないオタク(本人談)だった学生時代。そんな彼女が輝ける場所だったのが、合唱団のメンバーとして立っていたステージ。
このころから歌が救いだったものの、本人は、「将来アーティストになるなんて、不可能な考えだと思っていた」と語る。
■ビビビとくる体験でシンガーを志す
19歳の時に、短期留学先のトリニダード・トバゴの音楽コンテストにて8万人の前で歌を披露。
レイチェルはこの体験について、「ステージに立った瞬間、稲妻に撃たれたような気がしたの。『これが私の宿命なんだ!』という気づきを得た瞬間だった」と振り返る。
20代~ プロを目指して音楽活動スタート
■仕事を転々としながら、自分で営業して自主ツアー
下積みミュージシャンとしての生活がNYで始まる。
音楽を優先できる仕事をわたり歩きながら、エージェントのふりをして自分でライヴをブッキング。40キロ近い機材を担いで自主ツアーを回り、数人の観客の前で何時間も歌いつづけたことも。
■「音楽のパワー」を心から感じたできごと
自主ツアー以外にできる音楽活動を探していた時に、チャリティ団体「Musicians On Call」と出会う。
ミュージシャンが病院などを回って音楽で人々を元気づけるこの活動を通して、音楽のパワーを再確認したレイチェル。改めてミュージシャンへの志を強くする。
■このころの目標だった「あること」
下積み時代にレイチェルが目標としていたのが、自宅から20分ほどのところに建つライヴハウス「アーヴィング・プラザ」でいつかライヴをすること。
収容人数1,000人ほどのライヴハウスだけれど、この前を通るたびに、「あそこに自分の名前が掲げられたら"成功した"って証だ」と自分に言い聞かせていたという。
レイチェルはのちにこの会場を完売させるが、それはまだ10年以上も先の話。
■SNSに残された下積み時代の孤独
この当時のツイッターには、レイチェルの不屈の精神が見られる投稿がいくつも残されている。
例えば、28歳の時に投稿されたツイート。レイチェルはツアーを上手くPRする方法について「いいアイディアある?」と聞くが、コメントも、リツイートも、いいねもゼロ。
当時の彼女にとって、これは日常茶飯事。しかしどんなに無視されてもSNSでのPRをやめることなく、そんな彼女には現在、累計100万人近いフォロワーがいる。
30歳~ 全然売れずついに30代突入!どうする?
■「諦めなさい、もう若くなんだし」
シンガーとして芽が出る気配がないまま30歳が過ぎ、まわりからはさすがに心配する声が。
「何度も『絶対に成功なんかできないから諦めなさい、もう若くないんだし』と言われたわ。でも私はがむしゃらに自分の情熱を追い求めたの。いくら現実を突きつけられようともね」と、レイチェル。
■自分を勇気づけるために「ファイト・ソング」誕生
もうダメかもと思い悩んでいた時、現マネージャーの「他人の火で温まってないで、自分で火を作って人を集めるんだ」という言葉に心打たれ、最後の力を振り絞って「ファイト・ソング」を完成させた。
■どんどん大きくなる炎のように曲が拡散
「ファイト・ソング」はその年最高の自分応援歌として、米チャートを3ヵ月かけて80位→トップ10へと躍進。34歳にして、夢だったミュージシャンとしてのブレイクを手に入れる。
レイチェルは当時、「途方もない夢が叶った」「ずっとずっと本当にツラかった。無理に思えたし。でも私の中に、諦めることを許さない小さな声があって、私はそれを信じたの」と語っている。
■「ファイト・ソング」が社会現象に
レイチェルが「ファイト・ソング」で作った火は、この後、大きな炎へと変わる。
セレブ・一般人に関係なく多くの人が「ファイト・ソング」のメッセージに共感し、曲はレイチェルの応援歌からみんなの応援歌へと拡大。「ファイト・ソング」精神が大きなムーブメントと化す。
■アルバム『ワイルドファイア』も大ヒット
「ファイト・ソング」が収録されたアルバム『ワイルドファイア』もリリース。
「スタンド・バイ・ユー」や「ベター・プレイス」など、さらなる名曲を送り届け、全米初登場5位を獲得する大ヒットを遂げた。
35歳~ 新たなレベルへと進化
■ブレイクの影で、再び暗闇をさまよう
大ブレイクして目まぐるしい2年を送ったレイチェル。しかしその陰で、不安や葛藤があったという。
「ファイト・ソングのおかげで、いつも人を励ましていて、機嫌がよくて、ポジティヴだと勘違いされることが多いの。そんな風に思われるなんて光栄だけど、私はそんな人間じゃないわ」とレイチェル。
夢をつかんで幸せ絶頂にいながら、その中で擦り切れ、溜まっていたものがあることに気づき、音楽での新たな解放が必要だと感じるようになる。
■まわりに気づかせられる
レイチェルが自分の気持ちを曲として書き溜めていたころ、アメリカでは大統領選を中心に権利運動が多発。
とくに女性の権利を訴えた「ウィメンズ・マーチ」はレイチェルに強い印象を残し、本人は「(参加者の)赤い服がNYの灰色の歩道から燃え盛る炎のように浮かびあがり、人々を奮い立たせていました」と、エッセイで綴っている。
そしてここから、新たな名曲が生まれる。
■パワフル・ソング「ブロークン・グラス」が誕生
「ガラスの天井=女性の社会進出を阻む見えない壁」がテーマの新曲「ブロークン・グラス」が完成。
レイチェルは、「逆境に直面しながらも、その壁を超えた向こう側を見たいと望んでいる人たちのための歌」「ひとつの状況だったり、結果だったり、人に与えられた評価だったり、そういったものはいくらでも覆せると訴えているの」と明かしている。
■自分と向き合ったアルバム『ウェイヴズ』11・8発売
そして11月18日には、ニューアルバム『ウェイヴズ/Waves』国内盤を発売する。
ウェイヴズ(=波)というタイトルには、「人生には良いものから悪いものまでたくさんの波があるけど、すべてをさらけ出すことで強くなれる」という意味が込められている。
「ファイト・ソング」のメガヒットを意識したという前アルバム『ワイルドファイア』とは違い、ありのままの気持ちをぶつけ、「ここまで自由に制作活動をしたのは初めて」だという。
だからこそ、共感度の高いアルバムに仕上がっており、等身大のラヴソングや親しい人を失くした悲しみを歌った曲など、人間の素直な部分がつまった作品はレイチェルの過去最高作と言って過言ではない。
レイチェル・プラッテン
アルバム『ウェイヴズ/Waves』
11月8日(水)発売
2,200円+税(SICP-5624)
収録曲
1. パーフェクト・フォー・ユー
2. ホール・ハート
3. コライド
4. キープ・アップ
5. ブロークン・グラス
6. シヴァーズ
7. ルース・エンズ
8. レーベルズ
9. ラヴバック
10. ハンズ
11. フーリング・ユー
12. グッド・ライフ
13. グレイス
14. イーヴン・イフ・イット・ハーツ
15. ウィザウト・ユー
16. ワイルド
日本盤CDボーナストラック3曲収録
購入・ダウンロード:https://www.sonymusicshop.jp/m/item/itemShw.php?associate=SMO&cd=SICP000005624
日本公式サイト:http://www.sonymusic.co.jp/artist/rachelplatten/