「良い生徒だから」という理由で厳罰を回避?
今年3月にバーで知り合った男性からレイプ被害を受けたブルック・ルイスという女性が、この加害男性が通う大学が彼に課した処分について苦言を呈している。
ともにアリゾナ州立大学の生徒であるブルックと加害男性。事件当時まで面識はなかったが、お酒を飲みかわすうちに意気投合をした2人は、その後ブルックとそのルームメイトが暮らす自宅へ。
ところが、家に着いてすぐに事態が一変。男性はブルックを押し倒すと、そのまま彼女の同意を得ずに性行為に及んだという。
ブルックが被害を大学側に申告したことで、2人が通う大学による事件の調査と加害者の男性の処分が検討されたのだが…。
大学側は加害者の男性に「非がある」ということを認めつつも、最も厳しい処分である「退学」は厳しすぎるとして、処分を軽減することを表明。
その理由について、「彼の成績は3.9(4.0がMAX)で、優秀な研究チームの一員であること。そして、過去に校則を違反する行為をしたことがない」と明かした。
これに憤りを見せているのが、被害者であるブルック。同大学の校則では、セクハラやレイプといった性的な問題行為が発覚した場合は「退学処分」となるのが通常。
それを「成績優秀な良い生徒だから」という理由だけで、加害者の男性が厳罰を免れたことに、「良い人だってレイプ犯になりえるということを、知ってほしい」と、米メディアのBabe.comにコメント。「良い人=悪い行いはしない、更生の余地がある」という考えが、世間的に定着していることに警鐘を鳴らした。
相手の同意を「得た」「得ない」は証明することが難しく、レイプ事件の裁判でも被害者と加害者の間で意見が一致しないことが多々ある。今回の事件でも、ブルックと加害者の間で意見が割れており、大学側としては判断に困った部分もあっただろう。
しかし、大学側もこの男子学生に非があることを認めている以上、「良い子だから」という理由で処分を軽減したことに、大学内外から異論が噴出している。