全米のお茶の間を爆笑の渦に巻き込んでいる女優のティファニー・ハディッシュってどんな人? 一流セレブも一瞬にして虜にしてしまう彼女にフォーカス! 

今、最も注目されるコメディエンヌ

 2017年に公開され、全世界で興行収入145億円を超える大ヒットを記録したコメディ映画『ガールズ・トリップ』(日本未公開)。同作のメインキャストの1人で、お下品だけど、どこか憎めない破天荒な女性ディーナを演じたティファニーは、NAACPイメージ・アワード(全米黒人地位向上協会賞)での最優秀助演女優賞をはじめ数々の映画賞を受賞した。

画像: 『ガールズ・トリップ』では、共演者のジェイダ・ピンケット・スミス、クイーン・ラティーファ、レジーナ・ホールらベテラン女優たちを食う演技を見せ、映画界に大きな爪痕を残した。

『ガールズ・トリップ』では、共演者のジェイダ・ピンケット・スミス、クイーン・ラティーファ、レジーナ・ホールらベテラン女優たちを食う演技を見せ、映画界に大きな爪痕を残した。

 同作の役どころさながら、あけっぴろげな性格や何でも笑いのネタにしてしまう頭の回転の良さがウケて一躍大ブレイクを果たしたティファニーは、2017年11月には米人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』で、アフリカ系アメリカ人コメディエンヌとして史上初となるホストに抜擢。

画像: 『サタデー・ナイト・ライブ』でのティファニー。

『サタデー・ナイト・ライブ』でのティファニー。

 さらに、日本時間の3月5日に開催されたアカデミー賞の舞台にもプレゼンターとして登場。先輩コメディ女優のマヤ・ルドルフとともに、「疲れちゃったから」という理由でヒールを脱ぎ捨て、スリッパを履いて舞台に登場した彼女たちは「みなさん、今年のオスカーは黒人が多すぎると思ってない?」、「安心して、これから白人がわんさか登場するから」とハリウッドで問題となっている白人至上主義をチクリと刺すなど痛烈なジョークで笑いを誘っていた。

画像: アカデミー賞の舞台にて。くるくると変わる表情や大袈裟なジェスチャーや独特なアクセントも人気のヒミツ。

アカデミー賞の舞台にて。くるくると変わる表情や大袈裟なジェスチャーや独特なアクセントも人気のヒミツ。 

  

父の蒸発、虐待、貧困…じつはとんでもない苦労人

 38歳でブレイクした遅咲きのティファニー。今では、底抜けに明るい「おもしろ姐さん」キャラでたくさんの人々に笑いを提供している彼女だけれど、じつは壮絶な幼少期を過ごした暗い過去が。

 アフリカ北東部の国エリトリアからの難民としてロサンゼルスの危険地区サウス・セントラルに移り住んだ父と、アフリカ系アメリカ人の母の間に生まれたティファニーだったが、わずか3歳の頃に父が蒸発。

 その後、ティファニーが9歳のとき、母の再婚相手である義理の父親が、一家の殺害を企てて車のブレーキに細工をしたことがキッカケで母が交通事故に遭ってしまう。その時の怪我が原因で脳にダメージを負った母は、統合失調症を発症。母に代わり妹弟4人の面倒を見ていたティファニーだったが、精神にトラブルを抱えた母による虐待が始まり、12歳から児童養護施設で暮らすことに。

 15歳で祖母の元に引き取られ、バラバラになっていた妹弟たちと再会したティファニーは、やがて大好きだった「お笑い」に希望を見出すようになる。当時、素行不良だった彼女を見かねたソーシャルワーカーの勧めにより、あるコメディ・キャンプに参加したティファニーは、どんどんコメディの世界にのめり込むようになった。

 ティファニーは、この頃の自分にとって「笑いは痛みを開放する方法だった」と米雑誌オリジン・マガジンとのインタビューで語っている。

  

一流セレブたちも虜に! あのセレブ夫婦との爆笑エピソード

 そんな子供時代のヘビーすぎる体験をバネに、コツコツと下積みを重ねてきたティファニー。いまだに自分がトップセレブの仲間入りを果たしたことが信じられないのか、まるで一般人かのようなミーハーぶりと庶民的な感覚も好感度が高い理由となっている。

 アカデミー賞では。大御所女優のメリル・ストリープに「1日でいいから私のママになって」と直訴したり、エレベーターで遭遇した俳優のブラッド・ピットに「もしも1年後にお互いシングルだったら関係を持とう」と冗談で約束を取り付けたりと、やりたい放題だったティファニー。

Me and my future movie mom! As you can see we love each other.

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 セレブたちをも巻き込んで、すっかり虜にしてしまっているティファニーのエピソードの中で最も人々の心を掴んだ逸話が、大スターのウィル・スミス夫妻を「グルーポン」の格安ツアーに連れて行ったという驚きのストーリーだ。

 映画のプロモーションのためルイジアナ州のニュー・オーリンズを訪れていたティファニーは、『ガールズ・トリップ』の共演者で、大先輩でもあるジェイダ・ピンケット・スミスと彼女の夫で映画『スーサイド・スクワッド』の超大物俳優ウィル・スミスとディナーをすることに。

画像: 一流セレブたちも虜に! あのセレブ夫婦との爆笑エピソード

 そこで、翌日の予定を聞かれたティファニーは、共同購入型クーポンサイト「グルーポン」で購入した同地の観光名所である湿地帯を巡るツアーに1人で参加する予定だと返答。するとジェイダは、「せっかくだから、私もウィルと一緒に行くわ」とティファニーに同行すると言い出した。

 セレブすぎて「グルーポン」が一体何なのかが分かっていなかったスミス夫妻は、現地に到着し、同ツアーがほかの一般客たちと同じ乗り合いボートでの観光となることを知ってビックリ。

 意外にも乗り気のウィルとは対照的に、「こんなはずじゃなかった」と文句を言うジェイダをティファニーは「ここまで来たら、絶対ワニを見るべき!」となかば強引に説得し、渋々ながらボートに乗せることに成功。

 しかし、予想どおり、大スターの登場に一般客たちは大興奮。ウィル&ジェイダとの記念撮影をリクエストする人が列を作り、しまいには酔っ払いに絡まれるなど、「湿地巡りツアー」というよりは「ウィル・スミス夫妻懇親ツアー」のようになってしまったそう。

画像: ©Jimmy Kimmel Live! / ABC

©Jimmy Kimmel Live! / ABC

 ティファニーは、「ウィルとジェイダは一般人とふれあったのが相当久しぶりだったみたいで、結構楽しんでたみたい。むしろ私に感謝してくれたわ」と最終的には夫妻が格安ツアーを満喫していたことを面白おかしく米人気トーク番組の『ジミー・キンメル・ライブ!』で明かしていた。

 ちなみにこのエピソードがキッカケとなり、ティファニーは「グルーポン」の新広告塔としてCMに起用されている。

 6月に開催されるMTVムービー&テレビアワードの司会者に抜擢され、さらには、来年のアカデミー賞のホスト候補にも名前が挙がっているティファニー。今後ますます注目度がアップしそうな彼女の活躍を、見逃さないで! 

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