新生ペンタトニックスが誕生
ペンタトニックスがアヴィの電撃脱退を乗り越えて、新しく帰ってきた。
アヴィに代わるベースパートとして正式加入したのは、バークリー音楽大学で声楽の勉強をした経歴を持つ24歳のマット・サリー。米アカペラ界の実力派ベースシンガーたちが参加したオーディションで勝ち残ったマットは、実力だけでなく、人間性や、プロ意識という面でも、メンバーから絶賛される人物。
スコットも「ぴったりフィットした」と語っており、新生ペンタトニックスは自信を持ってニューアルバム『PTX プレゼンツ:トップ・ポップ VOL.Ⅰ』を完成させた。
ーーマットが正式加入するまでの経緯
スコット:アカペラ界でのネットワークを通して応募をかけて、まずは40人くらいからビデオで応募を受けたんだ。そこから絞られた8人と一緒に歌ってみて、それでまた数人に絞られ、最終的にマットがすべての条件に合致しているということで彼に決まったのさ。
ーー新しいメンバーに求めた条件
ミッチ:ある程度の経験、広い音域、グループに合ったルックス、メンバーとの相性、そして、ペンタトニックスの多忙なスケジュールについていけることなど。
ーーマットの人間性について
スコット:とてもフレンドリーでハッピーな人だから、すぐに打ち解けたよ。分からないことがあればメンバーで助けるようにしてるけど、正直、すごく自立した人だからあまり助けはいらないと思う。リハーサルをやった時も、歌詞は全部覚えていたし、振り付けもYouTubeを見て記憶していたし、そういうプロ意識が高い努力家なんだ。
ミッチ:素晴らしいダンサーで、ツアーに持ってくるほどプレイステーションが大好きで、甘いもの好きで、元ウェディングシンガーで、家族とすごく仲が良い。
新しいアルバムで原点回帰
新生ペンタトニックスが今回のアルバムで挑戦するのは、最新ヒットのカバー曲。「トップ・ポップ」というタイトルの通り、カミラ・カベロの「ハバナ」やブルーノ・マーズの「フィネス」など、近年音楽チャートを賑わせている大ヒット曲が並ぶ。
ーーこのタイミングでカバーアルバムを作った理由
スコット:しばらくやっていなかったポップソングのカバーアルバムを作ることで、オールドスクールのペンタトニックスに回帰して、マットを加えた新しい僕らを実感することにしたんだ。もちろん、オリジナル曲もやっていくけど、今回は僕らがキャリアを始めた時にやっていたカバーをやるのが最善だと思ったんだ。
ニューアルバム全11曲を解説
アルバム『PTX プレゼンツ:トップ・ポップ VOL.Ⅰ』の全収録曲を、大ヒットした原曲と比較しながらご紹介します。
■アテンション
チャーリー・プース(原曲)
報われない恋心をダークな歌詞と切ない歌声で歌った同曲は、全米シングルチャート5位を獲得。ちなみに曲の題材は、セレーナ・ゴメスとの関係であることをチャーリー自身が認めている。
ペンタトニックス(カバー)
アルバムのオープニングを飾る曲では、新生ペンタトニックス全員が個々に輝けるシーンをしっかり収録。オリジナルのマイナー調とはうって変わり、軽快なアップテンポ曲にアレンジ。「全員の大好きな曲だったから、やりたかったんだ」とスコット。
■ニュールールズ×アー・ユー・ザット・サムバディ?
デュア・リパ(原曲)
凄まじい勢いでブレイクしている英シンガー、デュア・リパの全英シングルチャート1位ソング。元彼とやり直してはダメだと歌う、2017年の恋愛アンセム!
アリーヤ(原曲)
R&B界のプリンセスと称されながら22歳の若さで事故死したアリーヤは、同曲でグラミー賞にノミネートした。
ペンタトニックス(カバー)
1990年代と2010年代という、2つの時代から2人の女性シンガーによるパワフルな曲を選んでマッシュアップ。もともとはケヴィンのアイディアで、彼がSNSに公開した動画を見て気に入ったメンバーたちがアリーヤのビートにデュア・リパの歌詞をのせて歌った。
■ハバナ
カミラ・カベロ(原曲)
ラテンのルーツにインスパイアされた同曲で、カミラはキャリア初の全米シングルチャート1位、同曲収録のアルバム『カミラ』でも全米アルバム・チャート1位を同時に獲得。ラジオでもヘビロテし、ロングランヒットした1曲。
ペンタトニックス(カバー)
ケヴィンが曲のビートとリズムを見事に再現し、オリジナルにより近い形でアレンジ。ミッチは、「アルバムの中でも、とくにペンタトニックスっぽい曲だと思う」とコメント。本家カミラから「イエス!これ本当に大好き!!」とツイートを受けたことに対して、スコットは「カミラの大ファンだから、とてもエキサイティングだったよ」と喜ぶ。
■フィネス
ブルーノ・マーズ(原曲)
グラミー賞7冠に輝いたアルバム『24Kマジック』の収録曲。話題のラッパー、カーティー・Bが参加したリミックス版は全米シングルチャート3位を獲得し大絶賛されている。
ペンタトニックス(カバー)
オリジナルのファンキーで楽しいチューンが、ペンタトニックスの華やかさにぴったり。カバー版では、耳に心地良い見せ場パートがいくつか盛り込まれているのでそこに注目。「ブルーノも気に入ってくれるといいな。だって彼、僕らと同じ音楽オタクだから」とミッチ。
■パーフェクト
エド・シーラン(原曲)
グラミー賞最優秀アルバム『÷(ディバイド)』に収録された、ロマンティックなバラード。エドが2017年末に婚約した一般人女性に捧げた曲。
ペンタトニックス(カバー)
エド・シーランの美しいバラード曲が、ペンタトニックス流の美しいアカペラ曲へと変化。「歌ってみて、この曲がなぜここまでヒットしたのかがより深く分かった気がするよ」とスコット。楽曲内ではケヴィンがチェロを演奏しており、そこにマットのベースが交わり温かさを増している。
■ステイ
ゼッド&アレッシア・カーラ(原曲)
EDMアーティストのゼッドのサウンドと、10代シンガーのアレッシア・カーラの歌声が見事にマッチした1曲。
ペンタトニックス(カバー)
「オリジナルで最も印象的なのはやはりサビ部分だけど、僕らはそこにはフォーカスしすぎず、よりスローに、より可愛らしく、より旋律を強くすることにこだわったんだ」とミッチ。この曲が自身の2017年No.1再生ソングだというスコットは、「オリジナルの魅力は残しながら、新しバイブスを吹き込んだよ」と説明する。
■フィール・イット・スティル
ポルトガル・ザ・マン(原曲)
アラスカ出身の4人組の名を世に知らしめたブレイク作。AppleやYouTubeなどが競ってCMで曲を使用し、グラミー賞では最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)を受賞。
ペンタトニックス(カバー)
ミッチのハイトーン・ボイスが最も際立っているのが、この曲。アルバムの中でもとてもシンプルなアレンジで、スコットは「声だけで作りやすい構成になっている曲だから、ペンタトニックスとしてもシンプルでやりやすかったよ」とコメント。
■デスパシート×シェイプ・オブ・ユー
ルイス・フォンシ(原曲)
ジャスティン・ビーバーがリミックス版に参加して話題を伸ばした同曲は、全米シングルチャート1位を史上最長タイとなる16週連続で独占。ラテンソングとしては、史上5番目のヒットソング。
エド・シーラン(原曲)
世界30ヵ国以上で1位を獲得。Spotifyでは「史上最もストリーミングされた曲」という称号を手に入れ、正真正銘、2017年に最も聴かれた曲のひとつ。
ペンタトニックス(カバー)
ラテンのビートという共通点を持つ2大ヒットソングをマッシュアップして、「シェイプ・オブ・ユー」のサビをスペイン語で歌唱。スコットは、「2つの曲のテンポの違いを合わせるために『デスパシート』のスピードを上げたんだけど、その早さでスペイン語のサビをで歌うのには結構な練習が必要だったよ」と笑う。
■イシューズ
ジュリア・マイケルズ(原曲)
ジャスティン・ビーバーやブリトニー・スピアーズのヒット曲をソングライターとして手掛けてきたジュリアが、こちらのソロデビュー曲でいきなり米TOP15にランクイン。
ペンタトニックス(カバー)
カースティンの美しい歌声を引き立てるこのカバーは、「シンプルだけど、だからこそアレンジの全てが分かりやすく聴けるところが魅力なの」とミッチ。オリジナルの生楽器のサウンドもペンタトニックスらしいアイディアで再現されている。
■プレイング
ケシャ(原曲)
活動休止していたケシャの復帰作。ケシャが壮絶な# MeToo経験の末にたどり着いた境地を美しい歌詞とエモーショナルな歌声で歌っている。第60回グラミー賞での楽曲のパフォーマンスも話題に。
ペンタトニックス(カバー)
賛美歌のような美しさで仕上げられたこの曲は、アルバムの中でもっともアレンジに時間がかかったという。スコットはその理由を、「とても美しくて面白い構成の曲だから、完璧に仕上げたかったんだ。だから、一度決めたアレンジを何度か変えたね」と語る。
■ソーリー・ノット・ソーリー
デミ・ロヴァート(原曲)
デミのキャリア最高となる全米シングルチャート6位を記録したサマーアンセム。パリス・ヒルトンやジェイミー・フォックス等も登場した、ワイルドなハウスパーティーが舞台のMVも話題に。
ペンタトニックス(カバー)
曲のアップテンポなダンスビートを作り上げるために、マットのディープなベースとケヴィンのビートが大活躍。「パワフルな女性による楽しさいっぱいの曲だから、ペンタトニックス版をぜひ作りたかったんだ」とミッチ。
『PTXプレゼンツ: トップ・ポップ VOL.Ⅰ(ジャパン・エディション)』には国内盤ボーナストラックとして、1985年に大ヒットしたアーハの曲「テイク・オン・ミー」のカバーが収録。国内盤アルバムは世界同時となる4月13日発売。
アルバム『PTXプレゼンツ: トップ・ポップ VOL.Ⅰ(ジャパン・エディション)』
4月13日発売
¥2,200+税(SICP-5760)
■国内盤ボーナストラック収録
■初回生産分のみ特典ステッカー封入
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