診療のたびに性的虐待被害に
元アメリカ代表の女子体操選手で2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得したマッケイラ・マロニーが、米代表の元チームドクターで、今年1月に最高175年の禁固刑が言い渡された元医師ラリー・ナサールから受けた性的虐待について米TV番組『デートライン』で語った。
「(これまでナサール元医師から受けてきた性的虐待行為が)治療ではなく、虐待だったのだと自分のなかで理解するのはとても大変なことでした。ナサール元医師は、治療と称してベッドの上で裸になった私の上に馬乗りになり、苦痛に悶える声を上げる私をよそに、(女性器を)指でいじるなどの行為をしました」
13歳から引退するまでのあいだ、治療のたびにこういった性的虐待行為を受けていたことを打ち明けたマッケイラは、ナサール元医師によってこれらの行為が「治療の一環であり、これはオリンピックに出場するために必要なことである」と信じこまされ、ある種の洗脳状態にあったことを明かした。彼女によると、被害にあった数は数百回に及ぶという。
裁判の際に提出した声明文のなかで「オリンピックに出場するのが私の夢でしたが、そのためにおぞましい経験をしてきました」と話していたマッケイラのほか、これまで“オリンピック出場”を餌に200人以上の少女たちに性的虐待行為をおこなってきたとされるナサール元医師。
裁判での判決はすでに下っているが、次々と出てくる被害者たちからの悲痛な叫びに、こうした被害が2度と起きないよう、体操界だけでなくスポーツ界全体で改善に取り組むよう求める声がアメリカ全土から上がっている。