グラミー賞受賞シンガーのチャイルディッシュ・ガンビーノの新曲「This Is America/ディス・イズ・アメリカ」のMVが恐ろしい。

銃乱射事件を投影

 ドナルド・グローヴァーの名で俳優としても活躍する、チャイルディッシュ・ガンビーノの新曲「This Is America/ディス・イズ・アメリカ」のMVが公開。

 「パーティしたい」といった歌詞とおだやかなリズムで始まる同曲だが、冒頭50秒ごろから、上半身裸のドナルドが突然、拘束された人を射殺する。

 ショッキングな射殺の後には、あたかも人の命よりけん銃のほうが尊いと言っているかのように、けん銃が赤い布で大事に扱われる。

 そこから「This Is America/Don’t catch you slipping up(ここはアメリカだ/足をすくわれるな)」という歌詞とともに曲調がガラっと変化。
 現在のアメリカ社会に潜む闇を映し出す歌詞と映像が流れる。

 衝撃の射殺シーンはこれで終わらず、1分40秒後から始まるゴスペル合唱隊が歌っているシーンでも、ドナルドが合唱隊に向かって銃を乱射。これは2015年に米サウスカロライナ州の教会で発生した銃乱射事件がモチーフだと言われている。

画像1: 銃乱射事件を投影

 また、黒人少年たちが携帯電話を持っているシーンでは、歌詞に「これは携帯/あれはツール」という歌詞があるように、これが3月に発生した、携帯とツールバー(武器)を見間違えたために22歳の黒人男性ステフォン・クラークが射殺された事件のことを語っていることがわかる。

画像2: 銃乱射事件を投影

 最後には、ドナルドが何者かに追われて必死に逃げるシーンでMVが終わる。

 実際に起きた出来事を反映させながら、近年相次いで発生している銃乱射事件や、活発する銃規制問題、そして黒人に対する人種差別などの社会問題を色濃く反映させた「This Is America/ディス・イズ・アメリカ」。

 アメリカ社会に潜む闇を描き、そんな闇が身近に迫っているとでも言うような最後の逃走シーンが、やけにリアルに感じるのが恐ろしい。

 そんなメッセージが込められたMVは、仕掛けたっぷりの作品づくりが特徴的な監督のヒロ・ムライが手掛けたもの。

 社会に訴えかけるMVは、ほかにもブレイク中のシンガー、シザが数秒ほどカメオ出演しており、コラボ曲が近々発表されるのでは?という憶測が広がるように、ほかにもなにかメッセージが隠されているかもしれない。

画像: Childish Gambino - This Is America (Official Video) www.youtube.com

Childish Gambino - This Is America (Official Video)

www.youtube.com

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