これから社会に飛び立つ新社会人へ力強いメッセージを送った。
チャンス・ザ・ラッパー
レーベルと契約していないアーティストで初めてグラミー賞を獲得した逸材。
チャンスは、ルイジアナ州のディラード大学でスピーチを披露。敬愛するマイケル・ジャクソンと4月に行われたコーチェラでのビヨンセのパフォーマンスを比較したりして、これから社会へと飛び立つ卒業生に、先人を越えていくことの大切さを訴えた。
チャンスは、「あのビヨンセのパフォーマンスはマイケル・ジャクソンのステージを超えた。あの女性はマイケルを超えた。黒人女性がマイケルを超えた。僕は言っちゃいました」と語り、キング・オブ・ポップとして称されるレジェンドであるマイケルを超える記録を残したビヨンセのコーチェラでのパフォーマンスを称え、偉大な人物をマネするだけでなく、超えようとする気持ちを持つことの大切さを訴えた。
そしてチャンスは、固定概念などを打ち破り、新しい道を切り開いていていくべきだと熱弁した。
「そこで私は、先人たちを超える責任があることに気が付いたのです。お手本を目指すように生きるのではなく、それを超えていかなくてはいけません。恐れを乗り越えてお手本を超えていかなくてはいけません。私たちは恐怖や偏見を消して光に影がかかったヒーロー像を塗りかえていかなければいけないのです」
「多くの犠牲を払い、すべてを与えてくれた先祖たちへ最高の敬意を示すためにも、私たちは彼らを超えていくべきです。これは彼らのしてきたことを継続させるためではなく、私たちがより良くなるためにするのです」
チャドウィック・ボーズマン
『ブラックパンサー』で主演を務めたチャドウィックは、同作の大ヒットと『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に出演したことで一躍時の人に。
そんなチャドウィックは、母校でもある全米屈指の名門大学として知られるハワード大学でスピーチを披露。自分がデビューしたての頃のエピソードを例えてスピーチを披露した。
下済み時代のチャドウィックがもらった初めての大きな仕事は、メジャー局のメロドラマでの主演。見たこともない金額のギャラで契約したけれど、結局クビになってしまったことを明かしたチャドウィック。
「台本を読んで自分がどんな役を演じるのか分かった時、ジレンマに陥りました」と語ったチャドウィックは、自分が演じる“家族環境が良くないギャングの一員”という役柄が、思い込みで描いた黒人像であるような気がしたために、プロデューサーにそのことを質問。それがきっかけで翌日にはクビを切られた過去を振り返った。
そんな過去を振り返り、そこから学んだ人生のアドバイスを卒業生に告げた。
「愛すべきこの大学に入って苦労したということは、そこで学んだことを活かして、世界をより良いものにできるというサインです」
「あなたたちの未来はわかりません。ただ一番難しいこと、最も複雑なこと、最初に成功よりも失敗の方が多いものを選べば、のちに後悔することはありません」
「仕事やキャリアより目的を見つけてください。目的は自己管理と交差します。目的はあなたの欠かせない一部であり、あなたがこの時代に生きる理由でもあります。あなたの存在意義と、あなたが達成すべきことは、深くつながっているのです。どんなキャリアパスを選んだとしても、それに伴う苦労や葛藤を忘れないで下さい。それこそが、目的を達成できるよう、あなたを形成するのだから」
最後にチャドウィックは、自身の代表作となった『ブラックパンサー』での「ワカンダ・フォーエヴァー」というフレーズを文字って、「ハワード・フォーエヴァー」という言葉で新社会人に贈ったスピーチを締めくくった。