※この記事にはネタバレが含まれます。
エンドロールの「あのシーン」に込められた意味
映画『デッドプール2』のエンドロールは、ある方法でタイムトラベルが出来るようになったライアン・レイノルズ演じる主人公デッドプール(ウェイド・ウィルソン)が、過去を変えるべく劇中のストーリーとは関係のないシーンを行き来する。
デッドプールのことをあまり知らない人や、ライアンのことを知らない人には、分かりにくかったこのエンドロールから、2つの気になるシーンを解説。
『ウルヴァリン』の“ウェイド”を抹消
マーベル映画ファンの方はご存知の通り、ライアン演じるデッドプールのマーベル映画デビューは、『デッドプール』が初めてではない。
2009年公開の映画『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』で、ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンの元戦友、そして最後の敵としてウェイド・ウィルソン(デッドプール)が登場しており、同役をライアンが務めたため、「ライアン演じるデッドプール」のスクリーンデビューは、じつに10年前にもさかのぼる。
『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』でのライアンの出演シーンはコチラ。
ただ、残念ながら、この作品でのデッドプールのキャラクター設定が、あまりにも原作とかけ離れていたため、ファンからの批判が絶えなかった。
こうした背景から、『デッドプール2』でその酷評を払拭すべく、『ウルヴァリン』のウェイドを抹殺した。
DCコミック映画『グリーン・ランタン』の台本を持つライアンを殺害
ライアンは、2011年公開の映画『グリーン・ランタン』で、マーベルの競合にあたるDCコミックスのヒーローであるグリーンランタンを演じた。
エンドロールで、デッドプールが『グリーン・ランタン』の台本を持つライアンを殺したのは、ただ単にデッドプールとグリーン・ランタンがライバル同士であったからだけではない。
この『グリーン・ランタン』、コケないと言われてきたアメコミ映画で、珍しく酷評が相次いだ赤字作品。ヒロイン役にブレイク・ライヴリーなど豪華キャストを起用したこの作品の製作費は、300億円を超えると言われているなかで、全世界興行収入が240億円程度と大赤字で終わった。
そんな映画の酷評による影響は大きく、ライアンの評価もガタ落ち。過去にライアンが「『グリーン・ランタン』の後は、仕事がなかった」と、Variety誌に語ったように、自身のキャリアまでもが危ぶまれる危機に直面した。
こうしたことから、皮肉も込めて『デッドプール2』のエンドロールでデッドプールが、『グリーン・ランタン』の起用にワクワクするライアンを殺害するシーンが登場した。
ちなみに、そんな大赤字を記録した『グリーン・ランタン』だけれど、この作品をきっかけにライアンは現在の妻ブレイクと出会う。
その当時は、ブレイクは『ゴシップガール』のペン・バッジリーと交際しており、ライアンは、『アベンジャーズ』ブラックウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンと結婚していた。
しかし、この共演をきっかけにライアンとブレイクは結ばれ、めでたく結婚。今ではおしどり夫婦と呼ばれるまでになった。