「レスキュー・ミー」のミュージックビデオは、終始真っ黒の背景に人々が踊り、泣き、叫ぶ姿を映し出すだけ、というシンプルな構成。その中には、マイケル・ジャクソンの娘であるパリス・ジャクソンや、パンクバンド「スタークローラー」のアロウ・デ・ワイルドの姿が。
しかし、ビデオが表現しているのは、様々な人種が暮らすアメリカに住む人たちの生々しい感情や、その爆発など。
「レスキュー・ミー」は、「痛みや苦しみ、辛い日々は誰のもとへも分け隔てなく訪れるが、それらはこれから待ち受ける輝かしく得難い瞬間のためにあるんだ」と聴いている人を勇気づけようと作られた。
俳優でサーティー・セカンズ・トゥ・マーズのボーカルを務めるジャレッド・レトは、この曲についてこう語っている。
“痛みについて、真実について、解放についての歌で、皆を力づけるための楽曲なんだ。痛みは俺たち全員に影響しうる。身体に。心に。精神に。そして時に、その痛みが感情的なものであれ、精神的なものであれ、それを口に出すことを皆恐れてしまう。誰しもがいつだって「大丈夫」なわけじゃない。そうじゃない時が、汚点であってはならないんだ“
そして、今回のミュージックビデオについてもコメントをしている。
“改めてこのビデオのために、勇敢に、自己を捨てて、自身の弱さを曝け出してくれた皆にお礼を言いたい。共有してくれた感情と真っ直ぐな心は自分に大きく影響を与えたし、自身もそうであればいいと思う”
ジャレッドは同曲を通して、自分の周りの人が助けを必要としていると思ったなら、大丈夫か聞き、何かできることがあれば助けになり、またもし自分自身が傷ついているのなら、信頼できる誰かを頼って、助けを求めて欲しい、というメッセージも伝えている。
今回監督を務めたのは、これまでに20以上のMTVアワード受賞歴のあるマーク・ロマネク。じつは、これまでの同バンドのミュージックビデオは、必ずジャレッドが監督を務めていた。しかし、ジャレッドはマークの才能を信じ、今回のビデオはジャレッドが監督を務めなかった唯一のビデオとなった。
「レスキュー・ミー」を収録したサーティー・セカンズ・トゥ・マーズの最新アルバム『アメリカ』は発売中。
(フロントロウ編集部)