不測の事態にどう備えている?
大統領や副大統領をふくむすべての議員がホワイトハウスに集結している時に、テロや大規模な事故が発生し、全員が死滅してしまった場合、一体誰がアメリカを統率するのだろうか?
じつは、アメリカではそうした不測の事態に備えて「指定生存者」なる人たちが存在する。
大統領就任時や一般教書演説(※)のように、国のトップである大統領そして副大統領に加えて、下院議長、両院議員、最高裁判所判事、各省長官、統合参謀本部の将官など、首脳クラスの人たちが一堂に会する時には、必ず指定生存者として選ばれた複数の人たちが、ホワイトハウスから離れた非公開の安全な場所で待機する決まりに。
※大統領が連邦議会両院の議員を対象に行う演説で、大統領の国の現状や政治課題に対する見解を述べる貴重な場である。
その理由は、先ほど話に上がったようなテロや事故によって、大統領だけでなく大統領職を引き継ぐことができる閣僚までもが全員死亡してしまった場合に、政府が機能しなくなるのを防ぐためである。
通常、「指定生存者」として選ばれるのは副大統領と下院議長の次に大統領継承権を持つ上院仮議長、同じく大統領継承権のある行政長官、共和党所属の両院議員&民主党所属の両院議員の計6人。テロ対策が進んでいるアメリカでは、「ホワイトハウス陥落」という未曽有の事態にもしっかりと備えている。(フロントロウ編集部)