過去の「不適切投稿」で大作をクビに
映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でアベンジャーズの仲間入りを果たしたMCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(以下、『GoG』)シリーズ。
これまでにシリーズ2作が公開され大ヒットを収めている同シリーズ作は、現在、2020年頃の公開に向けて3作目の撮影真っ盛り。
そんな最中に、全作で監督を務めたジェームズ・ガンがマーベルの親会社であるディズニーによって解雇された。
原因は、ジェームズが約10年前にツイッターに児童レイプを肯定するかのような不適切なツイートなどをしたことが発覚したから。
ジェームズといえば、キツいジョークを言うことで有名で、過去には当事者を傷つけたとして謝罪したことがあった。さらに、トランプ批判をはじめとした痛烈な政治的意見をツイートすることでも知られている。
一方でモラルや良識を重んじるディズニーにとって、子供たちのお手本とは言い難いジェームズの存在は、受け入れがたいとも言える。
こうした背景に加えてハラスメントに敏感な今の時代に、ジェームズの不適切なツイートが発覚してしまったことから、解雇という厳しい決断を下したディズニー。
ジェームズが不満コメント
これに対して、ジェームズは自身のツイッターに5件に及ぶツイートをして声明文を発表。反感を買うようなジョークや、タブーと言われてきた作品を過去に作ったことを認め、「良い人になったとは言わないけど、数年前の自分とはまったく違う人間になった」と、過ちを犯した過去の自分と今の自分は違うことを示した。
さらに、「過去の僕のユーモアで傷ついた人へは謝罪した。本当に申し訳ないと思っているし、反省している」ともツイートしている。
そして最後に「正直に言います。かつては不適切なジョークを飛ばしていました。今はしていません。過去を責めるつもりはないですが、今のほうが自分らしいし、今のクリエーターとしての自分が好きです」と、過去の過ちを認めつつも自分自身を肯定した。
失敗を含めた今までの功績の結果として、『GoG』シリーズの監督に選ばれ、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と『アベンジャーズ4(仮)』という大作にも製作陣として携わることができたと考えているような声明文を残したジェームズ。
『GoG』キャストが「擁護」コメント
『GoG』シリーズを大ヒットに導きディズニーに大きく貢献したという点と、被害者がでているわけではないという点を考慮すると、解雇は厳しすぎるという意見が飛び交うなか、『GoG』出演キャストも擁護コメントを投稿した。
ドラックス役のデイヴ・バウティスタは、ツイッターで「ジェームズは、僕が会った人のなかで、最も愛に溢れ、親切で良心を持った人のひとりです。紳士で優しくて人と動物に優しい人です。人はミスを犯します。みんなそうです。彼に起こったことは決してよろしくない」とツイート。
さらに主演のスター・ロード役のクリス・プラットと、ガモーラ役のゾーイ・サルダナもコメントを発表。
クリスは、新約聖書の一節を引用して「このことを理解しておきなさい。愛する兄弟たちよ。全ての人は聞くに早く、語るに遅く、怒るに遅くあるべきである」という言葉をツイート。
ゾーイは、「正直言ってこの週末はとても難しかった。話す前に少し立ち止まろうと思います。みんなに伝えたいのは、GOTGファミリー全員を愛しているし、これからも変わらないということ」と、今回の騒動に対して肯定も否定もしないかたちでコメントした。
ほかにも『GoG』に出演したマンティス役ポム・クレメンティーフや、ネビュラ役カレン・ギランほか、女優のセルマ・ブレアやジャスティン・ロイランド、マイケル・ローゼンバウムなども騒動に対してコメントを残している。
また、ジェームズの弟であり、クラグリン役として『GoG』にも出演している俳優のショーン・ガンもジェームズを擁護するコメントをSNSに投稿している。(フロントロウ編集部)