アメリカは整形大国、人気上昇中の施術は?
世界No.1の整形大国として君臨するアメリカ。国際美容外科学会(ISAPS)の調査でも施術数で世界1位にランクインしており、1年間で美容施術に使われた額は2016年に1,600億円に到達。この額は年々増加している。
国別の推定施術数(2016年)
1位 アメリカ 1,480,314件
2位 ブラジル 1,450,020件
3位 日本 209,017件
4位 イタリア 324,989件
5位 メキシコ 488,043件
国際美容外科学会(ISAPS)調べ
そんな美容整形の人気に拍車をかけているのが、ボトックスやフィラーを含む最小侵襲施術(※)の急激な増加。アメリカ形成外科学会(ASPS)いわく、2017年と2000年の施術数を比べてみると、最小侵襲施術の数は186%も増加。逆に、豊胸や鼻整形といった大がかりな手術数は6%減少しているという。※最小侵襲施術:皮膚切開をできるだけ小さくし、体への負担を最小限に抑える手法。
この186%増という動きには技術の向上以外に、近代のアメリカ人の間でボトックスやフィラーを受けることに対する気持ちのハードルが下がったことがある。それに大きく影響しているのがセレブリティだと言われていて、例えば、アメリカでカリスマ的な人気を誇るリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』でカーダシアン家が気軽にこういった施術を受けていることが、最小侵襲施術にライトなイメージを与えている。
やりすぎ注意!?失敗を治す番組が人気
美容整形産業が拡大の一途をたどるなか、「やりすぎ」と言われる整形行為が話題になることも増えている。
その代表的な例が、自分でデザインしたインプラントを体中に埋め込み“フェイク肉体美”を作るジャスティン・ジェドリカや、ジャスティン・ビーバーに近づくために1,000万円以上をかけたトビー・シェルドン。ほかにも、アンジェリーナ・ジョリー風になるために50回以上整形した19歳女性や、リアル・ケンと呼ばれる男性など、整形大国アメリカを筆頭に世界中で特異な整形事例が報告されている。
それに比例して話題になっているのが、行きすぎた美容整形を取り上げるリアリティ番組『Botched:整形手術の光と闇』。
有名な美容整形外科医であるテリー・ダブロウとポール・ナシフが失敗した整形手術を治す『Botched:整形手術の光と闇』では、アメリカ中から悩める整形失敗者たちが集まる。それだけに、番組では想像を絶する症例が紹介される。
『Botched:整形手術の光と闇』に登場した
仰天すぎる「美容整形の失敗例」
ダブロウ医師とナシフ医師が整形失敗者を救済しようとするリアリティ番組『Botched:整形手術の光と闇』の中から、とくにスゴい症例をご紹介します。
5. セメントの笑顔を持つ女性
もっとフェミニンな顔つきになりたいというトランスジェンダー女性の夢は、施術を任せた相手を間違ったことから悪夢に。施術直後はふっくらした顔まわりを喜んだという女性だけれど、約1年後のある朝、顔の左側が腫れあがったかと思ったらそのまま破裂。あたり一面に緑色の物質が飛び散り、中に入っていたのが、建設現場で使われるセメントの一種だったことが判明。アメリカには「パンピング・パーティー」と呼ばれる低価でシリコン注射ができる闇パーティーがあり、違法なうえ死者が出ることも。そこで施術を受けたという女性の体験談は、多くの場合が体に害のあるものを注入されるというパンピング・パーティーの真実を物語った。
4. 女性のコミック体形願望
コスプレ界で成功するために胸を大きくしたいと思い、18歳の時に850ccずつのインプラントを入れたという女性。日本の某有名美容整形外科で「大きい=300cc」とされていることからも、850ccがどれだけ異常な大きさかが分かる。この施術の結果、1年としないうちにインプラントが下がってきて胸が二段になり、脇の胸筋が重なってしまったという女性。しかし今度は胸筋の重なり対策として、なんと2000ccを注入。それでもさらに胸を大きくしたいと医師たちに懇願する女性に、一般視聴者がショックの声を上げるよりも先に、ダブロウ&ナシフ医師たちが「なぜだ」「間違っている」と頭を抱えた。
3. 陰部がお腹にある女性
アメリカの半額以下でお腹の脂肪除去ができると聞いた女性は、知人の紹介でメキシコの医師のもとへ。ただ手術台に乗った女性に渡されたのは、巨大な氷のブロック。「麻酔医はいないけど氷をつかうから心配ないよ。何も感じないから」と医師に言われた女性は、「食肉処理される気分だった」と、壮絶な手術の痛みを振り返った。そして結果として、術後に傷が開き化膿して多くの皮膚が壊死。皮膚が壊死したせいで傷が動き、下の組織である性器部分がへそまで持ち上がってしまった。ビキニやローライズデニムが着たいと願う女性は、最終的に見事な変身を遂げるのだが、安い値段に惹かれてしっかりリサーチせずに手術を受けることの危険性を痛感させられるケースだった。
2. フィラー依存症のキムK崇拝者
キム・カーダシアンのようになるために1,500万円以上の美容整形をしたジョーダン・ジェームズ・パーカーは、顔中にフィラーを入れすぎて「顔面が動かない」と告白。とくにハマっているのが唇の巨大化で、上唇だけで0.5ml程度が普通なところ、4mlも注入している。そのためフィラーが漏れてきてしまっているが、本人は健康被害よりもフィラーの漏れのせいで唇が小さくなってしまうことを心配。そんなジョーダンがダブロウ医師とナシフ医師に頼んだのは唇を直すこと…、ではなく、鼻を唇に見合うほど“作り物風”にすること。ただこの時は、ナシフ医師のある賢い説得法のおかげで、手術を断念させることに成功した。
1. 美容整形手術ジャンキー
フロントロウ編集部でも「リアルケン」として何度か取り上げているロドリゴ・アルヴェス。“完璧”になるために、5,000万円以上をかけて42回もの整形手術を受けてきた彼は、死体からとれた軟骨を使って鼻を整形。1年弱の間に3回も手術を受けたせいで、体の全系統が停止して死に至る可能性もあるMRSAという細菌に感染し、呼吸も苦しくなってきたとしてナシフ医師たちに泣きついてきた。ナシフ医師は「鼻の手術1回で回復に1年か2年はかかる」として、回復期に何度も鼻をいじったことに驚愕。今触ったら鼻が黒く壊死してもげ落ちると宣告されたロドリゴは、目を大きく見開き絶句。心臓発作と同じくらい深刻だと知ると、目に涙を浮かべていた。「細菌感染」「免疫系による攻撃」といった怖い言葉が飛び交うロドリゴの物語は、恐怖のひと言。]
驚愕の整形失敗例だけでなく、ハリウッド有名医師による最新の整形情報や、感動のビフォーアフターも見られる『Botched:整形手術の光と闇 シーズン4』は、日本ではdTV内のE!Zoneチャンネルでシーズン1~4が配信中。(フロントロウ編集部)
<番組情報>
『Botched:整形手術の光と闇』
シーズン1~4がdTV内のE!Zoneチャンネルで配信中
米放送局E! Entertainmentチャンネルの日本版E! ZONEは、月額500円(税抜)で全作品見放題の動画・映像配信サービスdTV内にて視聴可能。
シーズン4 視聴リンク:https://pc.video.dmkt-sp.jp/ti/10019637