オール・アジア系キャストのハリウッド映画『クレイジー・リッチ!』が、アメリカで根付く「アジア系男性は魅力的じゃない」という固定概念を覆すためにカットしたセリフとは?

主演女優がセリフにダメ出し

 アメリカで公開されるや否や初登場首位を獲得し、「アジア系が中心の映画はヒットしない」という従来のネガティブな考えを覆す大ヒットを記録している、異色のハリウッド映画『クレイジー・リッチ!』。

画像: 主演女優がセリフにダメ出し

 じつは、キャストが全員アジア系という本作が、マイノリティがメインの作品は「売れない」というジンクスに加え、アメリカに根付く「アジア系男性は魅力的じゃない」という固定概念を覆すことにも尽力していたことがわかった。

 主人公の恋人で不動産王の御曹司ニックを演じるヘンリー・ゴールディングが、“魅力的な男性”なのは言わずもがなだが、原作にはそれに水を差すようなセリフが...。

画像: ヘンリーとコンスタンス。

ヘンリーとコンスタンス。

 そのセリフとは、コンスタンス・ウー演じるレイチェルが「ニックと付き合うまで、アジア系の男性とは1度もデートしたことがなかった」という、場合によっては「アジア系男性は魅力的ではない」という意味にも聞こえるひと言。

 そのことに違和感を覚えたコンスタンスは、本作の台本からこのセリフをカットするように要求。彼女の考えに制作側も同意し、設定が変更になった。

 これまでハリウッドでアジア系の俳優に与えられてきた役は、どれも白人や黒人、ヒスパニック系の俳優に比べると見劣りをする、“イケてない”男性が多かった。しかし、今回ヘンリーが演じるニックはその真逆であり、本作をきっかけに、今後のハリウッドでのアジア系男性の描き方に良い影響を与えることが期待されている。

映画『クレイジー・リッチ!』
ニューヨークで働く主人公のレイチェルは、「家族を紹介したい」という恋人ニックに連れられて彼の故郷シンガポールへ。そこで、初めて彼がアジア屈指の不動産王の御曹司であるという事実を知らされる…。慣れないセレブの世界に厳格なニックの母親、嫉妬の狂う彼の元カノなど、立ちはだかる試練の数々を乗り越え、レイチェルは幸せをつかむことができるのか!?

 映画『クレイジー・リッチ!』は9月28日(金)より公開。(フロントロウ編集部)

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