ある男性に2万5千ドル寄付へ
人気女性ラッパーのニッキー・ミナージュと言えば、ド派手なパフォーマンスやセクシーな出で立ち、歯に衣着せぬ毒舌ぶりが頻繁に話題となっているが、じつは熱心なチャリティ活動家としての一面も。
過去には、奨学金制度を立ち上げて学費の支払いに困窮する若者たちを支援したり、インドにある小さな村に井戸や学習センター、コンピューター施設などを建設する資金を援助するといった活動を行ったことも。
ニッキーから贈られた寄付金で井戸を建設したことを報告する村民たち。
困った人を見ると手を差し伸べずにはいられない性格のニッキーが、近いうちにある男性に多額の寄付を行うことを計画していると最近出演したラジオ番組『クイーン・レディオ』の放送で明らかにした。
俳優からスーパー店員に「転落」と嘲笑された男性
ニッキーが2万5千ドル(約280万円)の寄付を申し出たのは、1980~1990年代に米NBCで放送された人気シットコム『コスビー・ショー』などに出演していた俳優のジェフリー・オーウェンズ。
現在57歳のジェフリーは、俳優業を細々と続けながらも、家族を養うために自然派スーパーのトレーダー・ジョーズで、レジ横で商品の袋詰めを手伝う“袋詰め係”のアルバイトをしていた。ある日、彼の存在に気づいたある買い物客が彼のユニフォーム姿をスマホで撮影し、「俳優からスーパー店員に転落した」と嘲笑するようなコメントを添えてSNS上で公開。
この投稿が拡散されると、この買い物客の行動は「ジョブ・シェイミング(Job Shaming/職業批判)」にあたると世間で物議を醸すことに。騒動があまりにも大きくなりすぎたため、ジェフリーはその後すぐにトレーダー・ジョーズの職を去った。
そんなジェフリーの元には、職業批判という辱しめに遭った彼に同情した人々からたくさんの応援の声が寄せられたほか、テレビ局からの取材依頼が殺到。さらに、有名脚本家兼プロデューサーのタイラー・ペリーから最新作への出演のオファーを受けるなど、ジェフリーは、この騒動を機にプチブレイクを果たしている。
ジェフリーを巡る騒動についてラジオ番組内で意見を求められたニッキーは、ジェフリーを「彼はまるで伝説のような人よ」と称賛。「彼には今いろんなチャンスが舞い込んでいるわ。私も2万5千ドルを寄付したいと思っています」とジェフリーへの支援を宣言した。
支援を決めた理由について、後日、ニッキーはET Onlineに「ネット上には世間の注目を浴びようと必死な人たちがいるけど、彼はその真逆のような人。だから私は『オー・マイ・ゴッド、想像を絶するような苦痛のはず』って思ったわ。みんな誰しも、彼がしていたような仕事をした経験があるはず。もし私自身が彼や彼の家族の立場だったらどう感じるだろうと考えたの。家族を養うために毎日一生懸命働いていただけなのに、もし誰かがそのことを侮辱しようとしたら? 本当にいたたまれないと思ったわ」と説明した。
ジェフリーに対して失礼にあたることがないように、インタビューを通じて「私のアシスタントチームから連絡をさせてもらうと伝えてちょうだい。どんな方法でもいいから、彼の力になりたいの」と語っていたニッキー。ジェフリーにとっては2万5千ドルという大金だけでなく、彼女の心からのエールも大きな励みになるはず。(フロントロウ編集部)