カニエの無知な発言にクリスの怒りが爆発
映画『キャプテン・アメリカ』や『アベンジャーズ』などの出演作で知られるクリス・エヴァンスが、先日、アメリカの超人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』(以下SNL)で再びドナルド・トランプ米大統領への支持を表明したカニエ・ウェストに向けて、ツイッターを通じて怒りのメッセージを発信した。
「本も読まなければ歴史についても知らない、目先のことしか知らないのを美徳とするような奴と討論することほど、イライラすることはないね。ここ最近、悪びれることなく憶測で物を言うのをよく目にするけど、ただ腹立たしいというだけでなく、(カニエの発言は)前代未聞なうえに、時代に逆行するもので、とても恐ろしいことだ」
There’s nothing more maddening than debating someone who doesn’t know history, doesn’t read books, and frames their myopia as virtue. The level of unapologetic conjecture I’ve encountered lately isn’t just frustrating, it’s retrogressive, unprecedented and absolutely terrifying. https://t.co/4jCFwB4T5U
— Chris Evans (@ChrisEvans) 2018年9月30日
事の発端は、SNL出演後にカニエがツイッターに投稿した「この帽子(※)は、アメリカの復活と善を象徴するものなんだ。僕たちはもう海外から物資を調達したりしない。アメリカ国内に工場を建設し、雇用機会を増やすんだ。さらにアメリカ合衆国憲法修正第13条を廃止し、刑務所から出所した人たちにも仕事を供給する」という発言にある。
※トランプ大統領が掲げるスローガン「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカを再び偉大な国に)」が描かれた、トランプ大統領支持者向けのキャンペーングッズ。
カニエが廃止を訴えた「アメリカ合衆国憲法修正第13条」には、特例として“受刑者には強制労働を課してもよい”という項目が含まれているため、カニエは恐らくそれを「廃止したい」と訴えたかったのだろうが、「アメリカ合衆国憲法修正第13条」の根本は奴隷制度そのものを禁じるもので、それを「廃止する」などという発言は言語道断。
また、トランプ大統領が提唱する“アメリカで積極的に物を生産し、仕事を増やす”という考えは聞こえはいいが、国内で生産することによって「商品の価格が上昇 → 消費者への負担が増える」ことが予想され、アメリカ経済に打撃を与える結果になりかねないとして、就任当初から政策の見直しを求める声が多く上がっている。
クリスはとくに「アメリカ合衆国憲法修正第13条」の箇所に引っかかったようで、たとえ説明不足による誤解であったとしても、世界中の人たちが目にするツイッターを使って“奴隷制度を禁止する法律を廃止したい”と訴えたカニエに対し、これ以上黙っていることができなかったよう。
ちなみに、カニエの“無知”からくる問題発言は今に始まったことではなく、今年5月に「奴隷制度が400年間も続いていたんだ、400年もあったら、選択肢のように感じる」と発言した際にも、友人でありラッパーのウィル・アイ・アムから「あまりに無知すぎる」と批判された”前科”がある。
カニエが再びトランプ支持を表明
大統領選の当選直後からトランプ大統領を支持するカニエが、先日ゲスト出演したSNLの放送終了後に、トランプ大統領が掲げるスローガン「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(アメリカを再び偉大な国に)」が描かれたキャップをかぶり、番組出演者と観客の前で予定になかったスピーチをおこなったことを米Peopleほか複数のメディアが報じている。
同誌によると、すでに放送が終了していたことに気づいていたかどうかはわからないが、パフォーマンス終了後、自身の政治的信念を延々と語り始めたというカニエ。その発言の一部がコチラ。
「よく人から『トランプは人種差別主義者なのに、なぜ支持するのか?』と聞かれるけど、俺が人種差別への懸念を抱いているとしたら、とっくの昔にアメリカから出て行ってたね。誰かを判断する基準は、人種差別的かどうかだけじゃない。もしその人に自分がインスパイアされ、つながりを感じたなら、その人が打ち出す政策のすべてを信じる必要はないと思っている」
台本になかったカニエの突然のスピーチに、ほかの出演者たちは表情を曇らせ、観客もほぼ失笑状態で、スピーチ終了後に拍手をしたのはたった3人だけだったとか。
また、カニエの妻キム・カーダシアンと子供たちもステージ裏でその模様を見守っていたそうだが、同誌いわくキムは「カニエの行動を支持しているようには見えず、ただその様子をじっと見つめていただけだった」そう。(フロントロウ編集部)