「77000」
この数字が何を意味するかわかりますか?
答えは、アメリカで今もなお同性愛の“矯正治療”に入れられている人の数。
同性愛者でいることは、病気でも異常でもないのに、主に宗教的理由から性的指向を無理やり変えるために、一部で治療が行われている。
世界で同性愛者に対する理解がどんどん広がりを見せているなか、衝撃的な数字といえる。
牧師の家庭で生まれ育った主人公のジャレッドは、あるときから、女性ではなく男性に魅力を感じる自分がいることに気づき始め、ついに両親へ告白することを決意。熱心なキリスト教信者である両親は、息子がゲイであるという事実を受け入れられるはずがなく、代わりにジャレッドに同性愛の矯正治療を受けさせる。
自分に嘘をつきながら、家族の言うとおり矯正治療に通うか、それとも自分に正直になる代わりに家族や友達、そしてこれまで信じてきた神への信仰と縁を切るのか。「自分」とは一体何者なのか、答えを見つけるのに葛藤するジャレッドの姿を描く。
そして驚くことに、『Boy Erased』は、原作となった本『ボーイ・イレイスド』の著者の青年時代をもとに作られている。そんな事実を知ってから作品を見ると、同性愛者に関する社会問題をより身近に感じることができるかもしれない。
深刻な社会問題をテーマにした内容だけでなく、出演する豪華なキャスト陣も話題となっている『Boy Erased』。ジャレッドを注目若手俳優のルーカス・ヘッジズが、その母親役を大女優ニコール・キッドマンが演じる。そのほかに、人気シンガーで自身もゲイであることをカミングアウトしているトロイ・シヴァンも、今回の作品で俳優業に挑戦している。
『Boy Erased』は11月2日全米公開。日本公開は未定。(フロントロウ編集部)