2016年末に惜しまれながらも廃止となったヴィクシーの水着ライン「ヴィクトリアズ・シークレット・スウィム」を早々に復活させる計画があることを、同ブランドの運営会社L Brand(Lブランド)の最高財務責任者であるスチュアート・バーグドアーファー氏が明らかにした。
『より良い商品づくりを目指して経営資源を集中させるため』という理由から2016年いっぱいで大好評だった水着ラインをクローズしたヴィクシーだったが、近年の業績悪化を受け復活が決定。
バーグドーアファー氏は米現地時間の11月19日に行われた年次業績発表会で「今日の状況を評価した結果、水着ビジネスに再参入するという非常に重要で有益となるであろう決断に至りました」と発表。2019年に再始動する新たな水着ラインは「顧客からのフィードバックに基いた製品づくりを目指します」と、消費者からの声により耳を傾けて商品開発に取り組むことを約束した。
近年、世界中で活性化している「MeToo」や「Time’s Up」などのハッシュタグを掲げたセクハラ撲滅運動の影響もあり、女性たちのランジェリー選び方が大きく変化。
男性の視線を意識したセクシーなランジェリーよりも、より着心地やリラックス感を重視したランジェリーが人気となるなか、ヴィクシーの代名詞とも言われる、胸を寄せて上げて大きく見せる、“プッシュアップ・ブラ(盛りブラ)”の売り上げは低下の一途を辿っている。
それに加え、同ブランドが毎年恒例のファッションショーや広告に起用するモデルのチョイスに関して「多様性に欠けている」、「女性たちに実現不可能な美の基準を押しつけようとしている」と世間から批判が噴出。表向きには変わらず華やかな様相を呈しているが、内情は厳しい業績低迷に悩まされている。
廃止以前には水着コレクションだけにフォーカスした特別番組も放送されるほどの人気ラインだったヴィクシーのスイムウェアラインの復活。果たして、同社の経営改善の切り札となれるのか。
さらに、ヴィクシーは2016年にCEOに就任したジャン・シンガーの辞任を発表。2019年以降は、人気ファッションブランド、トリ―・バーチ(Tory Burch)の現社長を務めるジョン・メハスが引き継ぐことを発表している。(フロントロウ編集部)