アジア人への差別用語を歌詞に
17歳でリリースした「グッチ・ギャング(Gucci Gang)」が大ヒットした、米フロリダ出身でコロンビアなどの南米のルーツを持つラッパーのリル・パンプ(Lil Pump)が、アジア人を中心に大バッシングされている。
2016年からキャリアをスタートさせたばかりの新人ラッパーである現在18歳のリルは、今年だけで無免許運転や室内での銃弾発砲行為、治安びん乱の罪で逮捕されており、デンマークでも2年間の入国禁止を食らっている問題児。
私生活ではトラブルが続くものの、アーティストとしては「グッチ・ギャング」以降絶好調で、9月にはカニエ・ウェストとのコラボ曲「アイ・ラブ・イット(I Love It)」で奇妙な衣装を披露し、ますます注目を集めている。
そんなリルが自身のインスタグラムに新曲「バタフライ・ドアーズ(ButterflyDoors)」の一部を公開。
この動画で流れる歌詞の一説にある、「俺の目の位置が低いから/ヤオ・ミンって呼ばれる(チン・チョン!)」という部分が、アジア人への人種差別だとして批判が殺到している。
「Ching Chong(チン・チョン)」(※)というフレーズは、アジア人への差別用語であり、さらに動画では、その直前に歌われた元NBA選手のヤオ・ミン(※身長220㎝以上の中国人バスケットボール選手)の名前が出た時に、リルがアジア人の顔をからかうように目を細める仕草をした。
※「Ching Chong(チン・チョン)」:外国人が中国語を聞いた時に「Ching Chang Chong(チン・チャン・チョン)」と聞こえることに由来した差別用語。アジア人=中国人とする偏った考えから、この言葉は東アジア人全般への差別的な呼び方として認知されている。
こうしたリルの言動にたくさんの批判が寄せられているなか、『オーシャンズ8』や『クレイジー・リッチ!』に出演した女優兼ラッパーのオークワフィナが反論した。
現在は削除されたツイッターで、「チン・チョンというアドリブが入る新曲をいつも楽しんで聞いているよ。他の曲で聞いたアイ・チンク(※つり目、中国人を表す蔑称)って言葉よりもイケてるってことかな。でもさ、もっとクリエイティブなあだ名が考えつかなかったわけ?」と、皮肉たっぷりにコメントしたと米XXLが伝えている。
こうした批判を受けたリルだが、本人は悪びれる様子を見せずにSNSに更新し続けており、問題の動画も削除されることなくそのまま公開されている。(フロントロウ編集部)